こんにちは!ぱかぞーです!
今回はオーツェイド株式会社のイヤピースに関する特許を紹介します!


オーツェイド株式会社
内部に空洞があり音が反射するイヤーピースを発明した。
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我々消費者は、「 直接音と反射音によって臨場感 」を得ることができる。
・ 臨場感
発明品は素晴らしいものであり、音質に拘る人にとっては非常に興味深い発明品であるものの、現在の市場環境では大きな売り上げとなることを期待できないで

特許6651039より引用
【出願人】 オーツェイド株式会社

オーツェイド株式会社の基本情報は以下のリストの通りです。
- 【所在地】
群馬県高崎市八千代町1-2-4-2F - 【上場】
未上場 - 【設立】
2016年1月15日 - 【従業員】
データ無し - 【売り上げ】
データ無し(2020年度) - 【業種】
コンサルティング - 【時価総額順位】
データ無し - 【競合他社】
データ無し
特許には「オーツェイド株式会社」と書かれていますが、HPでは「O2aid」となっています。ご存じの方はこちらの名前の方が親しみがあるのではないでしょうか。
オーツェイド株式会社はHPでは技術コンサルタントを主軸の事業としているそうです。
我々一般消費者はイヤホンのメーカーとして認知されている方が多いのではないでしょうか。
詳しい事業内容がわかりませんが、おそらくファブレスと思われます。
従って、今回の発明品のアイディアは オーツェイド株式会社 で試作生産はOEMに任せていると思われます。
今回の発明品はそんな オーツェイド株式会社が発明したイヤーピースです。
イヤーピースはイヤホンを耳の穴に着けるゴムの事です。
一体どんな特長を持ったイヤーピースなのでしょうか。
特許6651039より引用
【請求項1】
イヤホン本体のステムに連結されて使用されるイヤピースであって、 前記ステムの外周を覆うように構成された中央筒部と、前記中央筒部の外側に設けられた外壁部とを備え、 前記中央筒部の前記ステムの最先端箇所の放音孔と、前記外壁部の前記ステムを延伸した箇所の開放部とを除き、外部との空気流通を有さず、 前記中央筒部と前記外壁部との間に空洞部を有することを特徴とするイヤピース。

上記の図1の「1」が今回の発明品のイヤーピースです。
請求項1には発明されたものが過不足なく正確に書かれています。
特許が書かれている書類を明細書というのですが、明細書の中で最も重要な文章です。
請求項の文章を区切って解説していきます。
イヤホン本体のステムに連結されて使用されるイヤピースであって 、 前記ステムの外周を覆うように構成された中央筒部と、前記中央筒部の外側に設けられた外壁部とを備え、
この文章は前置きの部分で、図1の様な普通のイヤホンの形態を取っている事が書かれています。
ステムは上記図1の「2」の部分で、イヤーピースを装着する部分です。
前記中央筒部の前記ステムの最先端箇所の放音孔と、前記外壁部の前記ステムを延伸した箇所の開放部とを除き、外部との空気流通を有さず、 前記中央筒部と前記外壁部との間に空洞部を有することを特徴とするイヤピース。
ここの文章では発明品のイヤーピースを特定する説明がされています。
発明品のイヤーピースは内部に空洞があるのが特徴です。
通常のイヤーピースは内部に空洞が無く、イヤホンを耳にフィットすることを目的としています。
この発明品のイヤーピースは 内部を空洞 とすることで我々に何をもたらしてくれるのでしょうか?
特許6651039より引用
【0035】
図5は、本発明の効果を説明する図である。ステム2から放出された音の直接音だけが外耳に到達する従来のイヤピースと異なり、本発明のイヤピースにおいては、ステム2から放出された音は図2のようにイヤピース1の空洞部9内部にも放出され、反射音を含んだ音として開放部6から外耳へと伝わる点にある。図中の直接音と反射音では外耳に到達するまでの時間に差異が生じるため時差による反響効果が得られる。また反射音による多くの倍音が発生し、聴感上の臨場感が増す。

上記の図5は発明の効果を説明する図です。
イヤホンを半分に割った図で、矢印は音が進む方向を示しています。
音はイヤホン本体から発せられ、一部の音はまっすぐにイヤーピースを通過し、鼓膜に届きます。
他の音はイーヤピース内部の空洞内に反射して侵入し、やがて鼓膜に届きます。
これらの直接鼓膜に届く音と、反射してから届く音の差が、イヤーピースの空洞によって大きくなるのです。
この音の遅れによって、我々は反響音と認識し、臨場感を得ることができるということです。
この臨場感という効果が、従来のイヤーピースには無かった「異質な効果」となり、進歩性として認められたと思われます。
特許6651039より引用
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、臨場感を与えるイヤピースを提供することを課題とする。立体装飾体と、を備える。

同業他社と比べて優れている点は「臨場感を与えるイヤーピース」であることです。
従来のイヤーピースは上記図2のように本体から発せられた音は直接鼓膜に届くだけであり、本発明のようにイヤーピースの内部で反射する音がありません。
臨場感に関しては、イーヤピースではなく本体のシステムで音をづらして発音する方法があるのですが、イヤホン本体が大きくなってしまうことがデメリットでした。
従って、イヤーピースで臨場感を出すことは、本発明で初めて達成されたものになるのです。
イヤーピースは有線・無線に限らず使われています。
最近、イヤーピースの素材を発砲ウレタンにしてフィット性や音質を上げる技術を見るようになってきました。
イヤーピースは単にフィットする目的だけではなく、密閉性や遮音性などの機能を求められるようになってきています。
しかし、多くの人はイヤーピースの効果に対して懐疑的であったり、そもそもフィット感以外の用途に気づいていないことが多いと思われます。
今後、音質に拘る人にとっては非常に興味深い発明品であるものの、現在の市場環境では大きな売り上げとなることを期待できないでしょう。
しかしながら、発明のアイディアとしては非常に優秀であり、臨場感という効果をイヤーピースで達成していることは素晴らしいと思います。今後、多くの人が音質に拘るようになった時、このイヤーピースが売れる可能性があると思います。
◆ オーツェイド株式会社は内部に空洞があり音が反射するイヤーピースを発明した。
◆発明されたイヤーピースによって我々消費者は、「 直接音と反射音によって臨場感 」を得ることができる。
◆この発明は現在販売されていないと思われるが、発売される可能性が高い。
◆ 発明品は素晴らしいものであり、音質に拘る人にとっては非常に興味深い発明品であるものの、現在の市場環境では大きな売り上げとなることを期待できないでしょう。
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