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【特許で解説】キューピーの「きみぷち」

こんにちは!ぱかぞーです!
今回はキューピーのきみぷちに関する特許を紹介します!

【特許公報の利用について】

◆特許は出願する企業にとって製造販売を独占的に行える排他的な権利です。
◆従って、企業は特許に他社よりも優れた点を嘘偽りない事実のみを書きます。
◆カタログやCMなど企業にとって都合のいい情報だけではなく、客観的な事実が特許では語られるのです。

【本記事を読むことで得られるメリット】

消費者は類似他社品と比較して正しく判断して購入することができます。
◆投資家は特許に書かれている製品に価値があると判断したならば十分な投資対象となります。
◆業界人は競合他社の数年後の動向がわかるので将来性の市場戦略がわかるようになります。
就活生は、今後数十年間務めるかもしれない会社の将来性を判断することが出来ます。

目次

出願人(会社)について

キューピー

どんな発明をしたのか

黄身と増粘剤などの添加物を混ぜて本物の卵黄のような卵黄様加工食品を発明した。

どんな利益が期待できるのか

殻がないので、簡単に卵黄をお弁当などにのせることができる。
レンジで温めても、黄身が固まらずにとろけるため、見た目も味も良くみせられる。

同業他社と比べて優れている点

同業他社よりも、温めた後に黄身が固まりにくいため、口どけが良い。

まとめ

出願人(会社)について

特許6739610より引用

【出願人】 キユーピー株式会社 

ぱかぞー
ぱかぞー

今回の出願人はマヨネーズで有名なキューピーじゃな。
従業員もグループを含めて1万人を超えておる大企業じゃ。

ネコスケ
ネコスケ

キューピーを知らない人はいないんじゃないかな。
マヨネーズ、ドレッシングで有名な会社だよね。

ぱかぞー
ぱかぞー

マヨネーズ以外ではサラダ、総菜の事業を拡大しようとしておるそうじゃ。
子会社としてジャムで有名なアヲハタを持っておるぞ。

どんな発明をしたのか

特許第6739610より引用

【請求項1】
 0~15℃でゲル状であり、40℃で全体が液状となる卵黄様加工食品であって、前記ゲル状のときの形状が、平板上に割卵した生卵黄に酷似した扁平球形状であり、前記卵黄様加工食品の40℃のときの粘度が3~20Pa・sかつ、付着性が10~30g・secであり、前記卵黄様加工食品中に、卵黄を生換算で1~2%、
加工澱粉を4.5~6%、ゼラチン及び増粘多糖類(澱粉は除く)を含有し、前記ゼラチンと増粘多糖類の合計量が2~3.5%であり、前記ゼラチンと増粘多糖類の合計量に対するゼラチンの割合が75%以上であって、前記加工澱粉のうち、少なくとも1つはヒドロキシプロピル澱粉である、ことを特徴とする卵黄様加工食品

ぱかぞー
ぱかぞー

発明したものは卵黄様加工食品じゃ。
本物の卵と似せるように増粘剤など添加物を使って、見た目や温めに対してとろみをつけるなどくふうしたんじゃな。

ネコスケ
ネコスケ

卵黄様加工食品ってなんのこと?
卵じゃないの?

ぱかぞー
ぱかぞー

卵ではなく、卵の黄身のような加工食品ということじゃ。
材料に卵黄を使っておるから全く卵を使っていない訳ではない。
卵からとれた卵黄に添加物を混ぜて、機能を付与しているのじゃ。

ネコスケ
ネコスケ

加工食品はあまり良いイメージが無いけど、健康的には大丈夫かな?

ぱかぞー
ぱかぞー

材料の成分を見る限りだと、でんぷんと増粘剤と飴を加えておるだけじゃから身体に悪いものを使っているわけではなさそうじゃ。
お菓子とかゼリーに使われているものばかりじゃ。

どんな利益が期待できるのか

特許第6739610より引用

【発明の効果】
【0008】
  本発明によれば、今までにない本物の生卵黄のような外観と食感を楽しめる卵黄様加工食品を作ることが出来るため、卵加工食品市場の更なる拡大が期待される。

ぱかぞー
ぱかぞー

最大の利点は、今までにない本物の生卵黄のような外観と触感を楽しめることじゃ。

ネコスケ
ネコスケ

凄いことは伝わるんだけど、実際に僕たちの生活になにか関係してくるの?

ぱかぞー
ぱかぞー

この文章だけじゃとワシもよくわからなかったぞ。
この特許を詳しく読むと、通常の生卵と比べると以下の点でメリットがあることがわかるぞ。

  • 扱いが簡単(卵の殻が無い。白身が無い。)
  • 調理しなくてよい(カルボナーラなど上にのせるだけでOK)
  • レンジなどで温めても黄身が固まらずにとろけ出す
ネコスケ
ネコスケ

美味しさというよりも手軽さのメリットが多いんだね。

ぱかぞー
ぱかぞー

キューピーは家庭用というよりも業務用を意識しておるぞ。
例えば、コンビニのお弁当じゃ。
製造所で一括して料理されるときに、お弁当に一つの卵の殻を割るよりも本特許品を載せるだけの方が簡単じゃ。
殻の廃棄物も減るしのう。

ネコスケ
ネコスケ

レンジの温めもお弁当を意識しているんだね。
これから、お弁当を買うときに黄身がのっていたら本物か観察してみるよ!

ぱかぞー
ぱかぞー

特許を知れば世の中の違いが分かるようになる。
今回は典型的な例じゃな。

ぱかぞー
ぱかぞー

この発明は「きみぷち」という名前で売られておるぞ。
業務用と書いてあるが、一般の人でも購入できるぞ。
使い方としては、家族のお弁当作りに使えそうじゃ。

同業他社と比べて優れている点

特許第6739610より引用

【背景技術】

【0002】

 従来の卵黄様加工食品としては、例えば、チルド温度帯では平板上に割卵した生卵黄に酷似した扁平球形状の外観を有し、且つゲル状であり、喫食する際に電子レンジ等により温めると流動性を有するソースとなる生卵黄様冷凍ボールであって、冷凍保存後チルド温度帯で解凍した際に生じる離水が抑制された生卵黄様冷凍ボール(特許文献1)が用いられていた。しかしながら、従来の卵黄様加工食品では、加熱直後の熱々の状態から少し冷めた状態になると、さっと口中に溶け広がるような、くちどけのよいソースとは言い難いものであった。

【発明が解決しようとする課題】
【0005】
  そこで、本発明の目的は、品温0~15℃ではゲル状であり、電子レンジ等で温めた直後の熱々の状態ばかりでなく、少し冷めた状態であっても全体が液状となる卵黄様加工食品であって、喫食時に口中にまとわりつかず、くちどけの良い物性であることを特徴とする卵黄様加工食品及びこれを用いた食品を提供するものである。

ぱかぞー
ぱかぞー

他社と比べて優れている点は温めて少し経った後の食感が優れていることじゃ。
従来の商品は温めた後に少し冷めると口どけが悪くなってしまっていたんじゃな。

ネコスケ
ネコスケ

お弁当に卵がのっていると美味しそうに見えるんだけど、レンジで温めると黄身が固まってしまうんだよね。
暖かい方がお弁当が美味しくなるんだけど、黄身が固まったら見た目も美味しさも失われてしまう気がするよ。

ぱかぞー
ぱかぞー

こういうのを相反する効果というんじゃ。
こちらの杭を打てばあちらの杭が飛び出る。
昔から製造業では良くある話じゃ。
これを解決できる手法は進歩性を認められやすく、特許となりやすいんじゃ。

まとめ

◆キューピーがお弁当用にのせる黄身のような卵黄様加工食品を発明した。
◆発明された卵黄様加工食品によって本物の黄身の代わりに業務用のお弁当にのせることができ、温めても固まらずにとろけるため、見た目も美味しさも良くなることが期待できる。また、家庭用途としてお弁当作りにも最適である。
◆この発明は「スノーマン きみぷち」である。
◆今後20年間、同業他社は商品を真似することが出来ない。もし、このような商品が今後、流行した場合、キューピーが独占的に製造販売できるので売り上げを大きく伸ばす可能性が高い。

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