こんにちは!ぱかぞーです!
今回はキューピーのにこにこボックスに関する特許を紹介します!



特開2021-038001より引用
【出願人】 キユーピー株式会社

今回の出願人はマヨネーズで有名なキューピーじゃな。
従業員もグループを含めて1万人を超えておる大企業じゃ。

キューピーを知らない人はいないんじゃないかな。
マヨネーズ、ドレッシングで有名な会社だよね。

マヨネーズ以外ではサラダ、総菜の事業を拡大しようとしておるそうじゃ。
子会社としてジャムで有名なアヲハタを持っておるぞ。
特開2021-038001より引用
【請求項1】
開封時に引き破り可能な開封部を表面に有し、前記開封部の幅方向両側に対のミシン目が形成された包装用箱であって、 前記対のミシン目が形成される区間は、前記対のミシン目が第1パターンで形成される第1区間と、前記対のミシン目が第2パターンで形成される第2区間とを含み、前記第1パターンと前記第2パターンとでは前記開封部を引き破る際の荷重が異なる、包装用箱。

箱を開けるときのミシン目のパターンを変えることで、開けるときの引張荷重を変化させたのじゃな。

難しくてわからないよ。
もう少しわかりやすく説明して!

お菓子の箱を開けるときに箱の端からぺりぺりとひもみたいに引っ張るじゃろ?
その部分をジッパーと呼ぶのじゃ。
ジッパーにはミシン目のパターンが存在して、そのパターンを変えることで簡単に開けられたりするのじゃ。
この特許では一つの箱に2パターンのミシン目を付けたのじゃ。
それが特許として認められたのじゃ。

それは凄いね!
何も気にせず、お菓子の箱を開けていたけどいろいろ工夫しているんだね。

この特許はかなり凄い特許じゃ。
2種類のミシン目を持つ箱であればすべてキューピーの特許となるのじゃ。
他社は20年間製造も販売もできなくないのじゃ。

この箱に人気が出たらキューピーは一人勝ちできるんだね!
特開2021-038001より引用
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、必要な落下強度を確保しつつ、開封容易性を向上できる包装用箱及び包装物を提供することができる。

落としても壊れにくくて、開けようと思ったときは簡単に開けられることがメリットじゃな。
開けやすいミシン目のパターンと壊れにくいミシン目のパターンでジッパーを作ることで達成できたのじゃ。
これによって、今までにない工夫を凝らした開け方をできる箱が世の中に出てくるようになるぞ。

凄い発明なのはわかったけど、あまり実感がないな。

この発明は「にこにこボックス」に使われておるぞ。

にこにこボックスは離乳食のお弁当だよね。
それの何が特許になっているの??

にこにこボックスはなんと、箱がパペット人形になるのじゃ!

それは凄いね!
赤ちゃんはお腹いっぱいになるし、おもちゃでみんなで遊べるならハッピーだね!
でも、今回の特許と何が関係しているの?

箱がパペットになることとは特許とは直接的には関係ないぞ。
しかし、箱をパペット人形にしたりするためには、折り目や切り取りなどを工夫しつつ、壊れないように強度を保つ必要があるのじゃ。
その為にはこの特許に書かれているジッパーが必要なのじゃ。

いろんな工夫があっても落として中身が飛び出ちゃうような箱だったら問題だもんね。
特開2021-038001より引用
【0003】
<特許文献1の説明>
特許文献1には、対のミシン目のそれぞれが同じ形態となるパターンで形成された包装用箱が記載されている。このような包装用箱では、開封時に開封部を引き破るとき、対のミシン目の繋ぎ部分を同時に破ることになるので、開封荷重が大きくなって良好な開封容易性を確保できないおそれがある。特に、包装用箱の撓みやすい部分に特許文献1の開封構造を適用すると、開封部を引き破るとき、開封荷重によって包装用箱が大きく撓むので、開封部を引き破りにくいだけでなく、開封部が途中で破断する虞がある。
【0004】
<特許文献2の説明>
特許文献2には、対のミシン目のそれぞれが開封部の延在方向で互いに対してズレを有するパターンで形成された包装用箱が記載されている。このような包装用箱では、開封時に開封部を引き破るとき、対のミシン目の繋ぎ部分を交互に破ることになるので、特許文献1の包装用箱に比して開封荷重が低減し、開封容易性が向上するという利点がある。
【0005】
<要望される技術-1>
しかしながら、この種の開封構造を適用した包装用箱では、開封荷重と落下強度に相関関係があり、開封荷重を低減させると落下強度も低下してしまうため、開封容易性と落下強度の両立が困難であった。

同業他社のミシン目は一つの箱に対して同一のパターンしかなかったのじゃな。
恐らく今まではミシン目のパターンを変えるという発想がなかったのじゃな。
この点に進歩性が見出されて特許として認められたのじゃ。

箱のミシン目のパターンなんて考えたことなかったよ。
全部同じものかと思ってた。

実はいろいろあったみたいじゃな。
ミシン目のパターンが対照的なものが主流で、対照的でないものはあまり見ないかもしれんのう。
対照的なものは箱の強度が弱らないので、壊れにくい箱になるのじゃが開けにくいというデメリットもあったのじゃ。一方で非対称のものは開けやすいけど、箱がゆがみやすく、結局開けにくかったのじゃな。
トレードオフにある関係を解消できるのが、この特許ということじゃな。
審査の観点からもトレードオフの解消は進歩性ありと認めやすいしな。
◆キューピーが一つの箱に2種類のパターンのミシン目を付けることで落としても壊れにくいのに、開けやすいという箱を発明した。
◆発明された箱によって開封方法の制限が緩くなり、箱の開け方の自由度が上がった。
◆この発明は「にこにこボックス」に使用され、開封後にパペット人形を作ることが出来るようになった。
◆今後20年間、同業他社はこの箱を真似することが出来ない。もし、開封後の箱でクラフトするブームが到来した場合、キューピーが独占的に製造販売できるので売り上げを大きく伸ばす可能性が高い。