こんにちは!ぱかぞーです!
今回はサントリーのグリーンダ・カ・ラに関する特許を紹介します!



特許6784856より引用
【出願人】 サントリーホールディングス株式会社

今回の出願人は飲み物で有名なサントリーじゃな。
従業員もグループを含めて1万人を超えておる大企業じゃ。

サントリーを知らない人はいないんじゃないかな。
BOSSとか、なっちゃんとか、ダカラとかペプシコーラとか有名な商品がいっぱいあるよね。

キリン、アサヒ、伊藤園がライバル会社じゃな。
国内では2位じゃぞ。
最近は国内だけでなく、海外に進出しようと積極的に活動しておる。
特許6784856より引用
【請求項1】
5~25倍の希釈倍率で水と混合して1リットル以上の飲料を調製するための、100~400mL容量の容器に収容された濃縮エキスであって、
10℃における回転数60rpmでのB型粘度が1~10mPa・sであり、10℃における回転数6rpmでのB型粘度が5~15mPa・sであり、1回の使用で全ての量が使用される1回使い切りタイプである、上記濃縮エキス。

単に濃縮しただけじゃと新規性も進歩性もないから、濃縮エキスの粘度を限定し、使いきりタイプとすることで新規性と進歩性を担保したんじゃな。

難しくてわからないよ。
もう少しわかりやすく説明して!

濃縮エキスはとろみが強くなってしまうため、どうしても容器内に液が残ってしまうんじゃ。
容器に液が残ってしまうと、希釈した飲み物は味が薄くなってしまうのじゃ。
そこでこの発明ではとろみを少なくすることで、液残りを無くして毎回味が変わらないようにしたのじゃ。

濃縮エキスの発明って凄いことなの?

濃縮エキスタイプや粉末タイプも持ち運びが便利なんじゃ。
例えば、学校の合宿で集団でドリンクを用意しようと思ったら、校庭の水と混ぜ合わせるだけで何十リットルのドリンクが用意できるから便利じゃろ。
わざわざ重たいものを運ばなくても現地で作れるのが良いのじゃ。

僕も運動するときに粉のポカリスエットから良く作ってたよ!
今回の特許は粉じゃなくてエキスというのが特長なんだね!
特許6784856より引用
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、容器への液残りや注ぐ際の液だれが抑制され、1リットル以上の多量の飲料を一度に調製する場合であっても繰り返し同じ味が再現できる容器詰め濃縮エキスを提供することが可能となる。

最大の利点は、「繰り返し同じ味が再現できる」ことじゃな。
濃縮エキスを発明したというよりも、希釈して使う濃縮エキスなのに味の再現性が高いことが特長ということじゃな。

そういわれると実感があるよ!
ポカリの粉で作ると、たまに薄くなったりするよね。
だから、粉袋に直接水を入れたり工夫してるんだけど上手くいかないんだよね。

本発明では濃縮エキスを適度な粘度で流れやすくして、容器自体も工夫している旨が書かれておるぞ。
しかし、請求項1には容器に関する詳細な記載はないから濃縮エキスだけの発明になっておるぞ。

それって凄いことなの??

エキスだけで発明と認められているということは、容器はなんでも良いということなんじゃ。
他社が真似しようと思っても、発明の粘度範囲内の商品を作ることもできないのじゃ。
従って、濃縮エキスタイプの飲料はサントリーだけしか製造も販売もできないということじゃ。

それは凄いね!
もし濃縮エキスタイプが流行っちゃうと他社はまねできないから困っちゃうね。

他社から見たらかなり厄介な特許じゃぞ。
ある意味濃縮エキスをその粘度にすることは常識のようなものじゃからな。
今まで特許として書かれていないことで特許として認められてしまったような感覚になっていると思うぞ。

こういうのが特許論争を生み出すんだね。

そういうことじゃ。
実際に他社から異議申し立てされておるから、もうひと悶着ありそうじゃな。
特許6784856より引用
【0004】
市場における多くの容器詰飲料は、そのままで飲用できる状態で販売されているいわゆるRTD(Ready to Drink)タイプである。家庭や集団等の多人数に向けられたRTD製品は、容量が1Lや2Lの製品が多く、販売店においても、家庭等においても保管スペースが問題となる。
【0005】
そこで、水を加えて還元するタイプの飲料(還元飲料)として用いられる濃縮エキス又はパウダーが多数市販されている。また、特許文献1では、飲むときに10倍以上に希釈して飲料を調製できるアロエ入りコーヒー濃縮飲料が開示され、特許文献2では、濃縮緑茶エキスと増粘多糖類とを含有し、固形分濃度が5~20質量%で、15~20℃における粘度が80~250cPである、ポーションタイプの濃縮緑茶飲料が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ポーションや小袋包装等の1回使い切りタイプの容器に収容された濃縮エキスは、計量不要であるため、輸送性や携帯性に優れており、使用者はいつでも都合の良いタイミングで、好みの濃度に希釈された飲料を得ることができるという利点がある。しかし、20mL程度の容量の小型容器に収容された1回使い切りタイプの濃縮エキスは、小型容器を開封する際に液が飛び散ったり、容器や蓋に液が残ったりする(以下、液残りという)ことがあるため、家庭用や集団用に1Lや2L等の多量を一度に調製する際には、毎回希釈後の濃度が変わってしまい、繰り返し同じ味を再現することが難しいとの、新たな課題が見出された。

濃縮エキスタイプの飲料は昔からあったのじゃが、容器内にエキスが残ってしまい、毎回希釈後に味が変わってしまってしまう課題があったのじゃな。
携帯性が良い反面のデメリットとして広く認知されていた課題じゃったのじゃな。

希釈して使おうとするときって、屋外だったりすることが多いから携帯出来て作れるだけでも満足しちゃうもんね。
味が変わってしまっても自分が失敗したと思っちゃうし、作り直せないからあきらめてたんだよね。

サントリーはちゃんと消費者目線に立って研究開発を行っているのじゃな。
こういう視点があるかどうかが新たな市場を作り出す上で大手には必要なのじゃ。
◆サントリーが容器内に液残りしない濃縮エキスを発明した。
◆発明された濃縮エキスによって1リットル以上の多量の飲料を一度に調製する場合であっても繰り返し同じ味が再現できるようになった。
◆この発明は「グリーンダ・カ・ラ やさしい麦茶濃縮タイプ」である。
◆今後20年間、同業他社はこの濃縮エキスを真似することが出来ない。もし、濃縮エキスタイプが今後、流行した場合、サントリーが独占的に製造販売できるので売り上げを大きく伸ばす可能性が高い。