こんにちは!ぱかぞーです!
今回は日本車輌製造の鉄道車両用ロングシートに関する特許を紹介します!


日本車輌製造株式会社
パイプ型のロングシートを発明した。
発明されたロングシートは製造上のコストを削減でき、着座員数も増やすことが出来る。
・ 製造上のコスト削減
・乗客員数の増加
日本車輌製造は車両製造メーカーとしては大手である。過去にも様々な車両を開発してきた実績もある。しかし、この発明の需要は決して多くない。従って、この発明によって日本車輌製造 が大きな利益を得る可能性は低い。

特許6896826より引用
【出願人】 日本車輌製造株式会社


今回の発明者は「 日本車輌製造株式会社 」じゃ。

日本車輌製造株式会社 という会社を聞いたことが無いよ。
どんな会社なの?

日本車輌製造株式会社 はJR東海の子会社じゃ。
大手鉄道車両メーカーじゃぞ。
車両以外にも輸送用機器、建機、鉄構、プラント事業にも関わっておるぞ。
主なライバル会社は以下の3社じゃ。
・川崎重工業(売上 1兆4884億)
・日立製作所(売上 8兆7291億)
・近畿車輛(売上 494億)
日本車輌製造 は2020年度の売り上げが994億じゃ。
川崎重工業と日立製作所は鉄道以外の売り上げも含まれておるから売り上げが桁違いに高いぞ。
鉄道関係に限れば、 日本車輌製造 と 川崎重工業と日立製作所のシェアは同等くらいじゃ。

鉄道車両メーカーの特許は初めてだね!
どんな内容の特許なんだろう。

日本車輌製造 は新幹線、在来線、地下鉄の車両を製造しておるぞ。
新幹線は「N700系」
在来線は「京成線」「小田急線」「京王線」
地下鉄は「丸の内線」「大江戸線」「銀座線」
などを手掛けておるぞ。

走っている線路は違うけど、みんな 日本車輌製造 から生まれた兄弟電車なんだね!
そう考えると車両のデザインがみんな似ている気もするよ。
特許6896826より引用
【請求項1】
鉄道車両における側構体内壁に沿って横長に設置されて、複数人が並んで腰掛けられる鉄道車両用ロングシートであって、 前記側構体内壁から室内側へ一定量突出して側構体に固定されたパイプ状のシートフレームと、当該シートフレームの前後方向へ直線状に延設された着座部の外周面に装着された円筒状の座クッションと、当該座クッションの上方で前記側構体内壁に固定された背ずりクッションとを備え、 前記着座部は、ヒップレスト用に複数人が並んで腰掛けられる所要の長さに延設されていること、 前記背ずりクッションは、一人ずつの座席単位ごとに形成され、前記座クッションとも離間して前記側構体内壁に固定されていることを特徴とする鉄道車両用ロングシート。


今回の特許は 鉄道車両用ロングシートじゃ。
特長は座席シートがパイプシートになっておるところじゃ。

パイプシートなのは画期的だね。
でも従来のものよりも座りにくくなりそうだね。

そうじゃの。
恐らく、座るスペースを少なくして乗員数を増やそうとした時に考えられたものだと思うぞ。

都内の満員電車は社会問題にもなっているしね。
地下鉄とか短距離の乗車であれば座席シートはこのくらいでちょうど良いのかもしれないね。

具体的なメリットは次の章で説明されておるぞ。
特許6896826より引用
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、乗客人数を増加でき、着座者に各座席単位の位置を明確に認識させることができて、定員人数が確実に腰掛けられるようになると共に、軽量化が容易となり、組付け・製作等にかかる手間を低減できる鉄道車両用ロングシートを提供することができる。


最大の利益は
「 客人数を増加」
「各座席単位の位置を明確に認識させること」
「組付け・製作等にかかる手間を低減できる」できることじゃ。

見た目通りの発明だね!
僕たちにとっては満員電車の解消になることがメリットだね!

会社側としては、製造コストの低下や満員電車の解消、座席トラブルの解消がメリットのようじゃな。

実際にこの座席の車両があったら避ける人が多そうだね。
座りにくいもん。

長距離移動の車両ではなく、短距離移動の車両に設置するのかもしれんのう。
混雑が多くて、短距離移動の車両ということは、地下鉄に採用されるかもしれないぞ。

メリットはわかったけど、なんでこの発明をしようと思ったんだろう?

それについては次の章で説明するぞ。
特許6896826より引用
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載された上記車両用ロングシート100では、シートクッション103は、着座者の尻部を包み込むように、一人ずつの座席単位ごとに個々に独立して一体モールド成形により製作されているので、製作上の手間が多くかかりコスト増につながりやすいという問題があった。また、一人ずつの着座スペースを確保するために、乗客人数が減少するという問題もあった。


ここで書かれている特許文献1は従来の発明のことじゃ。
現在、多くの車両で使われているロングシートのことじゃな。
その従来品の問題を解決したのが今回の発明じゃ。
比較して良い点は「製造上のコスト削減」と「乗客員数の増加」じゃ。

確かに今のロングシートは座りやすいようにおしりを包み込むような形をしているもんね。
だから、その分製造コストが高くなっていたんだね。

ワシらにとっては座りやすい方が恩恵が大きい気がするのじゃが、今回の発明は会社側にとってメリットが大きい発明のようじゃ。
我々使用者にとって需要はない。
最近はテレワークの導入もあり、満員電車が改善される方向にある。
また、満員電車が多い東京では、都市部から離れた場所から通勤する人が多く、このような座席を好む人は少ない。
どちらかと言えば、この発明の需要は鉄道会社にある。
満員電車は社会現象として問題視されておるから乗客の多少のメリットを無くしてでも解決しなくてはならないからである。
満員電車だと、気分を悪くしてしまう人や、感染症の蔓延の懸念を解決できる発明でもある。
みんなが使うものはなるべく弱者にやさしいものである必要がある。
従って、本発明によって 日本車輌製造 は大きな利益を得る可能性は低い。
◆日本車輌製造はパイプ型のロングシートを発明した。
◆発明されたロングシートは製造上のコストを削減でき、着座員数も増やすことが出来る。
◆この発明を搭載された車両はないが、今後搭載される可能性はある。
◆ 日本車輌製造は車両製造メーカーとしては大手である。過去にも様々な車両を開発してきた実績もある。しかし、この発明の需要は決して多くない。従って、この発明によって日本車輌製造 が大きな利益を得る可能性は低い。