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【特許取得】アース製薬のハチ捕獲用液体「ハチがホイホイ」、「ハチとり撃滅」

ハチ捕獲

こんにちは!ぱかぞーです!
今回はアース製薬株式会社ハチ用スリップ剤に関する特許を紹介します!

*本記事では難解な特許を分かりやすく解説していきます。
詳細を知りたい人は該当の特許番号から直接お調べください。

ハチ
【特許公報の利用について】

◆特許は権利者である企業が製造販売を独占的に行える排他的な権利です。
◆公的文章である為、企業は他の物よりも優れた点を嘘偽りない事実のみを書きます。
◆カタログやCMなど企業にとって都合のいい情報だけではなく、客観的な事実が特許では語られるのです。

【本記事を読むことで得られるメリット】

消費者は正しい情報を元に他社類似品と比較して購入することができるようになります。
◆特許を取得した企業に独占的排他的な権利を与えられることから投資家は該特許製品に価値があると判断できるならば投資対象となります。
◆業界人は競合他社の数年後の方針がわかるので将来性の市場戦略がわかるようになります。
就活生は今後数十年間務めるかもしれない会社の将来性を判断することが出来ます。

特許庁

目次

  1. 出願人(会社)について
    ◆アース製薬
  2. どんな発明をしたのか
    「特定以下の接触角とすることでハチが滑りやすくなる液体」を発明した。
    ◆この発明は「ハチがホイホイ」、「ハチとり撃滅」として販売されています。
    *商品詳細は下記リンク参照
  3. どんな利益が期待できるのか
    ◆ユーザーは確実にハチを捉えて逃げ出さなくさせることでハチに刺される危険性が低くなります。
  4. 従来の商品はどんなものだったのか
    ◆捕まったハチが泳いで壁を上り逃げ出すことがあった。
  5. 市場性
    ◆ 他の外注に比べてハチに対する対処の機械が少なく、業者に頼むよりも安全で確実であることを実証しない限り、この発明品は大きな売り上げとはならないでしょう。
  6. まとめ

出願人(会社)について

特許6912638より引用

【出願人】 アース製薬株式会社

  • 【本社】
    東京都千代田区神田司町2-12-1
  • 【上場】
     上場(2005年11月)
  • 【設立】
    1925年8月
  • 【従業員】
    4305名
  • 【売り上げ】
    1960億円(2020年度)
  • 【業種】
    トイレタリー・化粧品
  • 【時価総額順位】
    12/33位
  • 【競合他社】
    ライオン:売上 3553億(2020年度)
    エステー:売上  496億(2020年度)
    小林製薬:売上 1505億(2020年度)

殺虫剤

アース製薬株式会社 殺虫剤で有名な製薬会社です
殺虫剤(虫ケア用品)で首位の会社です。
それ以外にも口腔衛生用品や、日用品も手掛けています。
大塚製薬グループ会社です。
グループ傘下にはバスクリンと白元もいます。

設立1925年の老舗会社です。
1929年には家庭用殺虫剤として「アース」を発売しています。
その後、会社名をアース製薬に変更しましたので、社名の由来はヒット商品から来ています。
社名を変更した年に「バスロマン」も発売しています。

ライバル会社としてライオン、エステー、小林製薬が挙げられます。
売上ではライオンに負けてしまっていますが、殺虫剤分野だけで比較すれば売り上げトップの会社です。

殺虫剤業界をけん引するアース製薬(株)は一体どのような特許を取得したのでしょうか。

どんな発明をしたのか

特許6912638より引用
【請求項1】
  ガラス面に対する接触角が40度以下である液状組成物(ただし、界面活性剤を含有する組成物を除く。)からなる、ハチ用スリップ剤。

スリップしている様子

アース製薬(株) が発明したのは「 ハチ用スリップ剤 」です。
上記請求項の文章のままでもわかりやすいですが、文章を区切ってそれぞれを解釈をしていきます。

構成請求項1解釈
ガラス面に対する接触角が40度以下である液状組成物発明された液体がガラスに対して広がりやすい物性であることを説明。接触角とは、例えばガラスに液体を垂らした時に液体が丸まった状態であるのか、なじんで広がっている状態であるのかの指標です。車のガラスコートの様に雨が弾かれるような状態を接触角が高いと表現します。(発明の本質
(ただし、界面活性剤を含有する組成物を除く。)からなる、俗にいう「除くクレーム」
界面活性剤を使うと構成Aと同じ物性とすることができると審査官に指摘され、界面活性剤の権利範囲を除く限定を行っていることがわかります。
ハチ用スリップ剤。発明品の用途(分野)の説明

請求項1を構成分けすると、A~Cの3つの構成から成り立つ文章であることがわかります。

構成Aが、発明品の画期的な(本質)部分です
キーワードは接触角です。
接触角は水平面上の液体の形を示しています。
角度が高ければ撥水性が高く、低ければ馴染みやすいことを示します。
40度以下と書いてあることから、発明の液状組成物はガラスに対して馴染みやすい性質を持っていることがわかります。

構成Bは、構成Aを縮減する文言です。
恐らく審査官から、界面活性剤を使った同じ発明品があることを指摘されたと思われます。
アース製薬は界面活性剤を使ったものとは違う発明をしていたので、界面活性剤を除いたのです。
特許用語でいえば新規性を出すために除くクレームにしたという表現です。

構成Cは発明品の用途(分野)の説明です。

請求項1を私なりに解釈すると
発明品の液体はガラスに対して濡れやすい為、ハチを滑りやすくしている」ということを説明しています。

アース製薬はハチをガラスに対して滑りやすくさせることで何を良くしようとしているのでしょうか

どんな利益が期待できるのか

特許6912638より引用

【発明の効果】

【0008】
  本発明のハチ用スリップ剤は、ハチの脚先に付着することにより、その褥盤機能を低下させる。これにより、本発明のハチ用スリップ剤をハチ捕獲用容器に使用した場合には、ハチ捕獲用容器内部に入り込んだハチが、液中から這い上がることができず、または、ハチ捕獲用容器内部の平滑性の高い壁面から滑り落ちるなどして登ることができないため、当該容器内からハチが脱出することを阻止する効果を発揮する。さらに、ハチ捕獲用容器からハチが脱出できないため、従来のハチ捕獲用容器のように脱出したハチが警報フェロモンを発することにより周辺に非常に多くのハチが襲来するという危険な事態を引き起こす心配がない。すなわち、本発明のハチ用スリップ剤をハチ捕獲用液剤としてハチ捕獲用容器に収納する、またはハチ誘引液の収納されたハチ捕獲用容器の壁面に塗布して使用すると、ハチ捕獲用容器を設置した場所周辺のハチのみを捕獲することができ、使用者が安全に利用できる点において有用である。なお、本発明のハチ用スリップ剤の使用法は、ハチ捕獲用容器に収納する方法や塗布する方法に限定されない。例えば、家屋の壁面や窓面、軒下、屋根裏等に塗布することで、ハチがスリップ剤が塗布された箇所から滑り落ち、ハチの採餌や営巣を防止することが期待できる。

捕まった様子

この発明品の効果は「 ハチ捕獲用容器を設置した場所周辺のハチのみを捕獲することができ、使用者が安全に利用できる点において有用である。 」です。

ユーザーはハチを捕まえる効果があるだけで十分と思います。
しかし、アース製薬はハチが捕まった後に逃げ出すと他の多くのハチに知らせしまい、ユーザーが攻撃される可能性が高くなってしまう事を知っていたのです。

ですから、一度捕獲したハチを確実に逃さないために今回の発明品を開発したのです。
そうすることでユーザーへの危険性を低くすることが出来るのです。

なぜこのような効果が発生するのかというと

ガラスに濡れやすい液体がハチの足に付着することで、捕獲容器を這い上がれなくしているのです。
ハチの足には褥盤機能があります。
褥盤は足から特殊な液体を分泌して滑りやすい面でも上りやすくしています。
本発明品の液体はその効果を無くすことができるのです。

褥盤機能を失ったハチは容器から這い上がれず、逃げることができなくなるのです。

同業他社と比べて優れている点

特許6912638より引用

【背景技術】
【0002】
  従来から、害虫捕獲用容器として様々なものが知られており、例えば、ゴキブリや、ハエなどの小型飛翔害虫等を対象とした害虫誘引捕獲用容器は、一般家庭、飲食店、工場等において汎用されている。
  また、ハチ捕獲用容器としては、各種形状のものが提案されている。具体的には、特許文献1には、カップ状の容器内部にハチを誘引するための誘引捕獲組成物を収納し、容器上部にハチの侵入口を有する蓋を取り付けた捕獲用容器が記載されている。特許文献2、3には、捕獲用容器の可視光透過率や色を調整することにより、ハチの捕獲効率を向上させる技術が紹介されている。特許文献4には、一旦捕獲されたハチが捕獲用容器から脱出することを抑制するために、ハチ侵入口を捕獲用容器上部中心部に配置されたものが記載されている。さらに、特許文献5には、特定の糖分濃度のハチ誘引成分を使用することにより、腐敗による発酵臭を発生させて、捕獲効率を向上させることが記載されている。
  しかしながら、これらのハチ捕獲用容器内に液状の誘引捕獲剤が使用されている場合には、ハチが液状の誘引捕獲剤中に落ちても、ハチは液状の誘引捕獲剤の中を泳ぎ、液面から這い上がり、容器から脱出してしまうという問題があった。

脱出する様子

従来の製品よりも優れているのはハチの脱出を防ぐことです。

従来の製品ではハチを誘因する為の液体組成物に関する研究が行われてきました。
また、容器の形状を加工することで脱出しにくくする方法も研究されていました。

しかし、いずれにおいても、十分とは言えず液体中をハチが泳いでしまい、逃げてしまう事があったのです。

そこで、アース製薬はハチの足の褥盤機能に着目したのです。

結局の所、ハチが容器内壁を上って逃げてしまうのは 褥盤機能 があったからだったのです。
そのことに気が付いたことで、研究が進み、本発明品が誕生したのです。

市場性

本発明品が使われるのはハチを退治しようとした時です。
都会でもハチの巣が出来てしまい困っている人が沢山いるので需要はあるでしょう。

しかし、「蚊」「ハエ」「ゴキブリ」と比べたらその機会は少ないでしょう。
また、ハチの巣ができると刺されて死亡することもあります。
そうなると、困った人は安全で確実に対処できる業者に頼むことが第一に考えられます。
業者に頼む費用よりも安全性を重視するからです。


従って、現在の状態では大きな売りになることはないでしょう。

売上を伸ばすためにはこの商品が「安全で確実な捕獲効果」を持っていることのPRが必要です。

好ましいことに発明者は業界トップのアース製薬ですから需要を作り出すことは可能でしょう。
特許を取得したばかりですから、これからのPR次第では大きな利益につながる可能性も秘めています。

まとめ

◆アース株式会社は「特定以下の接触角とすることでハチが滑りやすくなる液体」を発明した。
◆発明された液体によってユーザーは、「確実にハチを捉えて逃げ出さなくさせることでハチに刺される危険性が低くなります。」
◆この発明はハチがホイホイ」、「ハチとり撃滅として販売されています。

*詳細は下のリンクからご確認ください。

◆従来の商品は捕まったハチが泳いで壁を上り、逃げ出すことがあった。
◆ 他の害虫に比べてハチに対する対処の機械が少なく、業者に頼むよりも安全で確実であることを実証しない限り、この発明品は大きな売り上げとはならないでしょう。

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