こんにちは!ぱかぞーです!
今回はキーコーヒー株式会社の抽出バッグに関する特許を紹介します!


キーコーヒー株式会社
把持部を設けたコーヒー粉抽出バッグ
我々消費者は、「短時間で簡単に美味しいコーヒー」を飲むことができるようになります。
コーヒーの抽出時間が短いこと
◆この発明は「Jet Brew」として販売されています。
◆ この発明品は現在の主流の一つであるドリップ式のコーヒーに置き換わる可能性が高い。
◆社会に認知されることで売り上げが伸びていく可能性を秘めている。

特許6710385より引用
【出願人】 キーコーヒー株式会社
- 【本社】
東京都港区西新橋2-34-4 - 【上場】
1994.1 - 【設立】
1952.10 - 【従業員】
連1,078名 単744名(43.9歳) - 【売り上げ】
526億(2020年度) - 【業種】
飲料(飲料) - 【時価総額順位】
14/23位 - 【競合他社】
ユニカフェ、伊藤園、ドトール

キーコーヒー株式会社はレギュラーコーヒーの製造販売の大手企業です。
どこのお店でもコーヒー売り場に行けば必ず見かけるメーカーでしょう。
一般消費者向けではなく、喫茶店など業務用が主力の売り上げとなっています。
知らない方も多いかもしれませんが、喫茶店を経営しています。
良く町で見かけるイタリアントマトなどです。
大手企業でありながらも飲料業界では23位中、14位となっております。
売り上げも500億円ですから、ソニーや任天堂のように世界的に有名な超企業という訳ではありません。
会社内に研究開発部門が無いことから基本的には国内外から製造されたコーヒーを入手して販売しているようです。
研究開発部門 の無いキーコーヒーが取得した特許はどんな発明品なんでしょうか。
特許6710385より引用
【請求項1】
通水濾過性シートから形成された袋本体、袋本体の対向する2面の外表面に設けられた一対の薄板状部材、及び袋本体内に充填された抽出材料を有する抽出バッグであって、前記各外表面において、薄板状部材は、袋本体の上部に取り付けられた上辺部、上辺部と折れ線を介して連続し、該折れ線から袋本体の下辺側に伸びた把持部、及び袋本体の上辺から袋本体の下辺側に伸びた脚部を有し、上辺部の上辺が袋本体の上辺に揃い、把持部は、その先端部が袋本体の上辺から突出するように前記折れ線で折り上げ可能である抽出バッグ。

上記の図1Aが今回の発明品の抽出バッグです。
見た目は紅茶バッグのように見えますが、どんな発明品なのでしょうか。
文章が長いので区切って説明していきます。
通水濾過性シートから形成された袋本体、袋本体の対向する2面の外表面に設けられた一対の薄板状部材、及び袋本体内に充填された抽出材料を有する抽出バッグであって、
この文章は前置きの部分で、発明品は紅茶やお茶で使われるものと同じ抽出バッグである形態であることが書かれています。
前記各外表面において、薄板状部材は、袋本体の上部に取り付けられた上辺部、上辺部と折れ線を介して連続し、該折れ線から袋本体の下辺側に伸びた把持部、及び袋本体の上辺から袋本体の下辺側に伸びた脚部を有し、上辺部の上辺が袋本体の上辺に揃い、把持部は、その先端部が袋本体の上辺から突出するように前記折れ線で折り上げ可能である抽出バッグ。
ここの文章で発明品の特長が書かれています。
普通の抽出バッグは糸で吊り下げようにして持ち上げますが、この発明品は糸ではなく、把持部を設けています。
最初の形態では抽出バックに沿うように板が部材が設けられています。
この両面の板部を折り曲げることで抽出バッグの上方で板部を掴めるようになります。
つまり、お湯に抽出バッグを浸す時に紐で釣りながらお湯に浸けるのではなく、紙の様な板部を摘まんで持ち上げてお湯に浸けるという発明品です。
後にも述べますが、コーヒーは豆である為、お湯に浮かんでしまいます。
その性質がある為、カップの上に抽出バッグを設置してお湯を上から注ぐドリップ式のものが世の中には多いのです。
この発明品は紅茶やお茶のようにお湯が入っているカップの中に直接抽出バッグを浸すことができる画期的な機能を持っているのです。
特許6710385より引用
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、抽出材料が充填された袋本体の対向する2面の各面に薄板状部材が設けられており、その一対の薄板状部材は、袋本体の上部に設けられた上辺部と、上辺部に連続した折り上げ可能な把持部と、袋本体の上辺から袋本体の下辺側に伸びた脚部を有するので、把持部を折り上げ、把持部を把持して袋本体をカップ内の湯中に押し込むことにより、袋本体全体を容易に湯に浸漬させることができ、湯中で袋本体を上下させることにより、袋本体内の抽出材料に湯が浸漬する速度を速めることも可能となる。さらに本発明によれば、一対の薄板状部材の上辺部の上辺が袋本体の上辺に揃うように取り付けられているので、カップ内の湯中に袋本体を押し込んだときに一対の薄板状部材の脚部がカップの底に当たると、その一対の薄板状部材の脚部に均等に押し込み時の押圧力がかかって脚部が突っ張り、袋本体の胴部が膨らむ。この場合、袋本体は、対向する2面のいずれか一方に屈曲することなく胴部が膨らむので、袋本体内の抽出材料の上方に広いヘッドスペースが形成される。したがって、そのヘッドスペースに湯が浸入し、袋本体内の抽出材料の上面から下向きに湯が流れる。このため、袋本体内を上下させることにより湯は、袋本体内に充填されている抽出材料の表面上を流れるだけでなく、内部にまで浸透し、抽出材料全体を膨潤させ、抽出材料全体から抽出液を得ることができる。したがって、短時間で十分な濃さの抽出液を得ることが可能となる。

どんな形態をしている発明品がわかったところで、この発明品は我々にどんな利益をもたらしてくれるのでしょうか。
文章が長いので重要な文章を抜き出して解説してきます。
特許6710385より引用
把持部を折り上げ、把持部を把持して袋本体をカップ内の湯中に押し込むことにより、袋本体全体を容易に湯に浸漬させることができ、湯中で袋本体を上下させることにより、袋本体内の抽出材料に湯が浸漬する速度を速めることも可能となる。
発明品の抽出バッグに手で摘まめる把持部があることで、浮いてしまうコーヒー豆を湯中に落とし込むことができるのです。
紅茶のバッグのように従来の糸で釣り上げる様式だと、コーヒー豆入りの抽出バッグをお湯の中に落とし込むことができないのです。
さらに、把持部によってお湯の中に落とし込むだけではなく、引き上げることも容易にできるので抽出バッグ内にお湯を素早く満たすことができるようになるのです。
特許6710385より引用
袋本体は、対向する2面のいずれか一方に屈曲することなく胴部が膨らむので、袋本体内の抽出材料の上方に広いヘッドスペースが形成される。したがって、そのヘッドスペースに湯が浸入し、袋本体内の抽出材料の上面から下向きに湯が流れる。
この文章では、抽出バックをカップの底に押し当てた時に抽出バッグが広がる事でお湯が抽出バッグ内に侵入しやすくなる旨が書かれています。
この抜粋した2つの文章で共通しているのは如何にして抽出バック内にお湯を浸透させるかが書かれています。
何度も書きましたが、コーヒー豆はお湯に浮いてしまう性質がある為、沈める工夫とお湯を馴染ませる工夫が必要なのです。
この発明品はそれを解決する事で、コーヒーを素早く煎れることができるようになるのです。
従って、我々消費にとってはドリップのようなコーヒーを抽出バッグの様な簡単な方法で短時間で作れるようになるのです。
特許6710385より引用
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、コーヒー粉が充填された袋本体を湯に浸漬させる従来のコーヒー抽出バッグでは、浮き上がろうとする袋本体を強制的に湯中に沈めても、袋本体に充填されたコーヒー粉全体の表層だけが湯で膨潤し、コーヒー粉全体の内部には湯が浸透しにくく、コーヒーの抽出に時間がかかる。コーヒーの抽出を促進させるために、コーヒー粉が充填された袋本体を湯中で上下させても、袋本体内に湯は十分に通らず、湯は袋本体に充填されたコーヒー粉全体の表面を流れてしまう。そのため、コーヒー粉全体を膨潤させ、コーヒー液を十分な濃さで抽出することは難しい。

同業他社と比べて優れている点は「コーヒーの抽出時間が短い」ことです。
従来の抽出バッグだと、お湯がコーヒー粉に浸透しにくく時間が掛かってしまっていたのです。
従来の抽出バッグはお湯に浮いてしまったり、無理に沈めても片栗粉のようにダマになってしまい、お湯がコーヒー粉に浸透しなかったのです。
コーヒーは嗜好品であるものの、町の中にはコーヒーショップが溢れており、自宅や会社でも飲料できる程、メジャーな食品です。
この発明品は抽出バッグですから、自宅や職場で飲む時に使われることを想定しています。
インスタントコーヒーの市場に合致するでしょう。
現在のインスタントコーヒーはコーヒー粉に直接お湯を入れて作るインスタント式と、カップの上に抽出バッグを設置してお湯を注ぐ、ドリップ式の2種類が大きく占めています。
インスタント式は簡単にコーヒーを作れることがメリットですが、風味や美味しさがドリップ式よりも劣っています。
逆にドリップ式は風味と味が良いのですが、何度もお湯を注がないといけないため手間がかかってしまいます。
本発明品はインスタント式とドリップ式の良い所を合わせたような発明となっています。
従って、社会で認知されるようになれば売れると思います。
特にドリップ式と置き換わる可能性が高いと思います。
ドリップ式と比較すると、味と風味が一緒なのに簡単に作れるようになるからです。
一方でインスタント式と比較すると、抽出バッグの処理が必要になる事で手間がかかってしまいます。
ゴミ箱が近くにない屋外の様な環境ではインスタント式のコーヒーがきっと好まれるでしょう。
この発明品は今後、手間のかかるドリップ式のコーヒー商品に置き換わる可能性が高いと思われます。
ドリップ式のコーヒーを飲む人はコーヒーにこだわりがある人が多いでしょう。
こだわりが強い人は多少高くなっても本格的なコーヒーが飲めるならば多少高くなっても購入するはずです。
発明の用途が市場価値と合っていますから、社会に認知される事で爆発的に売れる可能性が秘めていると思われます。
◆ キーコーヒー株式会社は「把持部を設けたコーヒー粉抽出バッグ」を発明した。
◆発明された抽出バッグによって我々消費者は、「短時間で簡単に美味しいコーヒー」を飲むことができるようになります。
◆この発明は「Jet Brew」として販売されています。
◆ この発明品は現在の主流の一つであるドリップ式のコーヒーに置き換わる可能性が高い。社会に認知されることで売り上げが伸びていく可能性を秘めている。