こんにちは!ぱかぞーです!
今回はトラタニ株式会社の衣料の上半身部(シャツ)に関する特許を紹介します!
*本記事では難解な特許をなるべく分かりやすく解説していきます。
詳細を知りたい人は該当の特許番号から直接お調べください。


トラタニ株式会社
「袖とシャツの接続部に特殊な加工を施したシャツ」
「正しい姿勢を取れる」
「正しい姿勢を取れる」
この発明品は 画期的な手法で姿勢を矯正する事ができても、従来の姿勢矯正シャツと比べて何が優れているのかわからない為、ユーザーは機能性ではなく、質感やブランドで比較して購入することになります。
そうなると、ブランド力のない本発明品は売れるとは言い難いと判断せざるを得ないでしょう。
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特許6710385より引用
【出願人】 トラタニ株式会社
- 【本社】
石川県 かほく市 松浜 ハ6-4 - 【上場】
非上場 - 【設立】
2005年9月1日 - 【従業員】
不明 - 【売り上げ】
不明 - 【業種】
物販 - 【時価総額順位】
データ無し - 【競合他社】
不明

トラタニ株式会社 は下着と肌着の製造販売を行っています。
上場していない為、企業情報が少ないのですが、分かったことを書いていきます。
設立が2005年ですから、比較的若い会社です。
会社名のトラタニ㈱は社長の苗字である虎谷からネーミングされています。
夫婦で経営しているようです。
社長が下着の研究開発を行っております。
この特許はその活動の中で生まれたものと思われます。
従ってトラタニ㈱は研究開発から製造販売まで行っておりますから、商品に関する知識や技術力を持った会社です。
現在は上場しておらず、小さな会社ではありますが、特許を取得できるほどの技術力を持っていますから、今後の経営に期待が持てると思います。
小さな会社ではありますが、確かな技術力を持っているトラタニ㈱の発明品は一体どんなものなのでしょうか。
特許6696662より引用
【請求項1】
少なくとも後身頃を含む身頃、左袖、および右袖を備える衣料の上半身部であって、 前記左袖が、前記身頃の左側に繋げられた左連繋部を含み、 前記右袖が、前記身頃の右側に繋げられた右連繋部を含み、 前記左連繋部と前記右連繋部とのそれぞれが背面に、袖の内方へ突出した凹みを含み、 前記凹みが、前記左袖または前記右袖の周方向よりも当該袖の長さ方向において長い、衣料の上半身部。

トラタニ株式会社 が発明したのは「シャツ」です。
上記請求項の文章のままだと、理解し難いので文章を区切って、それぞれを解釈をしていきます。
構成 | 請求項1 | 解釈 |
---|---|---|
A | 少なくとも後身頃を含む身頃、左袖、および右袖を備える衣料の上半身部であって、 | 俗に言うTシャツ、ロングTシャツのこと。(タンクトップではない) |
B | 前記左袖が、前記身頃の左側に繋げられた左連繋部を含み、 | 本体に左袖を連結する部分がある。 |
C | 前記右袖が、前記身頃の右側に繋げられた右連繋部を含み、 | 本体に右袖を連結する部分がある。 |
D | 前記左連繋部と前記右連繋部とのそれぞれが背面に、袖の内方へ突出した凹みを含み、 | 上記図2の濃色部分。特許の本質部分 |
E | 前記凹みが、前記左袖または前記右袖の周方向よりも当該袖の長さ方向において長い、 | 本体と袖の連結部分が長い。特許の本質部分 |
F | 衣料の上半身部。 | 上下一体型のツナギではなく、上着である。 |
請求項1を構成分けすると、A~Fの6つの構成から成り立つ文章であることがわかります。
構成ABCFでは、発明品が通常のTシャツと変わらない構成であることを説明しています。
構成DEが、発明品の画期的な(本質)部分です。
特許用語でいえば新規性の部分です。
構成DE を私なりに解釈すると、
「発明品のTシャツの本体と袖の接続部が大きな曲線を描いており、その接続部が正面よりも背中側の方が短い曲線」と言うことかと思います。
この解釈だけだと、まだ何の事を指しているのかわかりません。
次の発明品がもたらす利益を理解することでわかりやすくなると思います。
特許6696662より引用
【発明の効果】
【0012】
本発明の上記の観点による衣料の上半身部では、着用者が正しい姿勢から左右いずれの腕を前方へ出す際にも、対応する袖の連繋部の凹みから抵抗を受ける。したがって、正しい姿勢からいずれの腕も、自然には前方へ出にくい。こうして、本発明による衣料の上半身部は、両腕が正面中央側へ回るように両肩が前方へ出る姿勢を着用者に取らせづらくすることができる。

この発明品の効果は「 両腕が正面中央側へ回るように両肩が前方へ出る姿勢を着用者に取らせづらくすることができる 」であると書かれています。
分かりやすく言い換えると、この発明品は猫背になりにくくし、姿勢を正しくしてくれる矯正効果があるということです。
Tシャツの袖が、従来の物は前面に沿っているものが多いのですが、この発明品は背中側に沿っているのです。
間隔としては、Tシャツを前後ろ逆に来てしまった時の圧迫感をイメージしてください。
猫背の様な前傾姿勢になると少し違和感を感じるようになるので自然と背筋が伸びるようになる作用があると書かれています。
従来のTシャツは着心地を良くするために身体に合った形状をするのですが、敢えて負荷が掛るように細工したことが本特許の発明部分です。
特許6696662より引用
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
人は、スマートフォン等の携帯機器を操作するとき、携帯機器を持つ腕が自身の正面中央側へ回るように、肩が正しい姿勢での位置よりも自身の前方へ出る姿勢を取りやすい。「正しい姿勢」とは、具体的には、平坦面に起立している人を真横から見た場合、その人の首のつけ根、肩、ひじ、くるぶしがほぼ一直線上に位置する姿勢である。両肩が前方へ出る姿勢は、頻繁に繰り返され、または長時間連続して保持された場合、巻き肩、猫背といった体形の悪化を招きかねない。「巻き肩」とは、肩甲骨が左右に広がって肩が内側へ入った体形をいう。「猫背」とは、背骨が前後に湾曲して頭が前へ出た姿勢をいう。これらの体形は肩こり等の痛みの原因にもなり得る。

この特許で比較されているのは、一般的なTシャツです。
一般的なTシャツは姿勢を矯正する機能がない為、スマートフォンなどの機器を操作する時に肩が前に出てしまい、巻き肩や猫背になってしまいます。
スマートフォンの操作による姿勢の悪化は現代病です。
これに対してどうにかしたいと考えたトラタニの社長は研究開発を進め、この商品を発明したのです。
姿勢を矯正するシャツは多くあります。
健康ブームは高齢化社会では必ず需要があります。
世界的にもヘルス関係の業界は市場が大きいです。
その為、ライバルとなる商品やサービスも多いです。
この発明品と似たような商品が数多くあります。
その中で、売り上げを伸ばすには突出した価値のある機能が必要です。
本発明は新しい手法で正しい姿勢に矯正する機能で特許を取得しています。
しかし、その効果はTシャツよりも効果があるとの記載に留まります。
他の姿勢矯正シャツと比べて発明品がどれだけ優れているかは購入してからユーザーが判断することとなります。
従って、本発明品は画期的な手法で姿勢を矯正する事ができても、従来の姿勢矯正シャツと比べて何が優れているのかわからない為、ユーザーは機能性ではなく、質感やブランドで比較して購入することになります。
そうなると、ブランド力のない本発明品は売れるとは言い難いと判断せざるを得ないでしょう。
◆トラタニ株式会社 は「袖とシャツの接続部に特殊な加工を施したシャツ」を発明した。
◆発明されたシャツによってユーザーは、「正しい姿勢を取れる」ようになります。
◆この発明は「好循環シャツ」として販売されています。
◆ この発明品は 画期的な手法で姿勢を矯正する事ができても、従来の姿勢矯正シャツと比べて何が優れているのかわからない為、ユーザーは機能性ではなく、質感やブランドで比較して購入することになります。
そうなると、ブランド力のない本発明品は売れるとは言い難いと判断せざるを得ないでしょう。
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