こんにちは!ぱかぞーです!
今回は株式会社ドリテックの液体容器(電気ケトル)に関する特許を紹介します!
*本記事では難解な特許を分かりやすく解説していきます。
詳細を知りたい人は該当の特許番号から直接お調べください。


株式会社ドリテック
蓋を置くだけで回転して締まる電気ケトル
発明された電気ケトルによってユーザーは、「蓋の閉め忘れによる水漏れ」を起こさないようになります。
従来の電気ケトルよりも優れているのは蓋を意図的に回転させなくとも蓋が閉まる事です。
この発明品は 画期的な手法で 蓋の閉め忘れという防止できても、市場を圧巻することはできないでしょう。
同価格帯の電気ケトルを買おうとしているユーザーがデザイン性やちょっとした機能の違いを比較するときに検討する程度でしょう。
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特許6710385より引用
【出願人】 株式会社ドリテック
- 【本社】
埼玉県川口市戸塚2丁目11番8号 - 【上場】
非上場 - 【設立】
平成9年6月2日 - 【従業員】
180名 - 【売り上げ】
47億円(2020年度) - 【業種】
精密機器 - 【時価総額順位】
データ無し - 【競合他社】
データ無し

株式会社ドリテック は計測機器メーカー(タイマーなど)です。
上場していない為、企業情報が少ないのですが、分かったことを書いていきます。
設立は平成9年です。
最初はキッチンタイマーを主力に事業を立ち上げています。
キッチンタイマーは昔、デザイン性が悪く家庭には馴染みがないものでした。
しかし、(株)ドリテックによってデザイン性が高まり、一般家庭に馴染むようになっていったのです。
現在は、料理はかり、温湿度計、歩数計、体重計・体組成計、電気ケトル、IH調理器、血圧計、体温計など多くの計測機器を取り扱っています。
いずれの商品においても利便性だけではなくデザイン性の良いものが多いです。
タイマーと同じように武骨な計測機器のデザイン性を良くして、家庭に馴染むようにしています。
デザイン性と利便性の両方を追い求める(株)ドリテックは一体どのような特許を取得したのでしょうか。
特許6712748より引用
【請求項1】
上部開口を設けた容器本体と、 前記上部開口を閉じるための蓋と、を備え、前記容器本体には突部斜め案内部と突部係止部と蓋支持部を設け、前記蓋には側方に突出する突部と被支持部を設け、 前記蓋が前記容器本体の前記上部開口に、前記突部が前記突部斜め案内部上に位置するように置かれたとき、 前記蓋は、前記突部が前記突部斜め案内部に案内されて、前記被支持部が前記蓋支持部に支持されるまで自重により回転しながら落ち、 前記突部の一部の上方に前記突部係止部が位置するようになることを特徴とする液体容器。

株式会社ドリテック が発明したのは「電気ケトル」です。
上記請求項の文章のままだと、理解し難いので文章を区切って、それぞれを解釈をしていきます。
構成 | 請求項1 | 解釈 |
---|---|---|
A | 上部開口を設けた容器本体と、 前記上部開口を閉じるための蓋と、を備え、前記容器本体には突部斜め案内部と突部係止部と蓋支持部を設け、前記蓋には側方に突出する突部と被支持部を設け、 | 電気ケトルの一般的な形を説明。 |
B | 前記蓋が前記容器本体の前記上部開口に、前記突部が前記突部斜め案内部上に位置するように置かれたとき、 前記蓋は、前記突部が前記突部斜め案内部に案内されて、前記被支持部が前記蓋支持部に支持されるまで自重により回転しながら落ち、 | ケトルの蓋が回転しながら落ちることの説明。(発明の本質部分) |
C | 前記突部の一部の上方に前記突部係止部が位置するようになることを特徴とする液体容器。 | 蓋が回転して落ちた後に停止することを説明。 |
請求項1を構成分けすると、A~Cの3つの構成から成り立つ文章であることがわかります。
構成A、Cでは、発明品が一般的な電気ケトルであることを説明しています。
構成Bが、発明品の画期的な(本質)部分です。
特許用語でいえば新規性の部分です。
構成B を私なりに解釈すると、
「発明品の電気ケトルは蓋に特長があり、ふたを閉める時に蓋を置くだけで勝手に回転して閉まる」ということを説明しています。
よくある電気ケトルの蓋は本体と接続しており、接続部を中心に稼動する(パカパカするという表現でしょうか)ものが多いです。
それに対して発明品は蓋が回転しながら閉まるので新規性があると認められたのでしょう。
しかし、この構成だとそこまで凄い発明のようには思えません。
蓋を閉める時の動作として、ペットボトルキャップのように回転させながら閉めるのは、普通のことです。
では、どんなメリットがあるから特許として認められたのでしょうか。
特許6712748より引用
【発明の効果】
【0011】
以上のような構成を採用することにより、使用者が蓋を容器本体に載せた後に蓋を回転させるなどの操作を行わなくとも、蓋が容器本体から脱落してしまうことを確実に防止することができる。

この発明品の効果は「使用者が蓋を容器本体に載せた後に蓋を回転させるなどの操作を行わなくとも、蓋が容器本体から脱落してしまうことを確実に防止することができる。」であると書かれています。
分かりやすく言い換えると、「この発明品は蓋を閉めようと思った時に、ケトルの上に蓋を置くだけで蓋が勝手に回転しながら落ちていき、ふたが閉まる」ということです。
ユーザーにとって、電気ケトルの蓋を閉め忘れることを防止できるのは大きなメリットです。
特に家事関連の道具は、調理中の忙しい時に使うことが多いので閉め忘れが多くなってしまいます。
もし、蓋からお湯が漏れてしまうと、火傷してしまう可能性も高く、後片付けも面倒です。
蓋を置くだけで回転して締まりますから、ペットボトルのように最後までしっかりと閉めないと漏れてしまう事もありませんし、通常の電気ケトルのように蓋をのせた後に押し込むことを忘れて漏れてしまうこともありません。
「置くだけで蓋がしっかりと閉まり、漏れなくなる」という効果が顕著であると認められたのでしょう。
特許6712748より引用
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に記載された液体容器は、使用者が蓋を容器本体に載せた後に回転させることで、蓋と容器本体が螺合するようになっているため、蓋を回転させる作業を怠った場合には蓋と容器本体が係合せず、容器本体が傾くと蓋が容易に脱落してしまう虞があった。
【0008】
また、特許文献2に記載された液体容器は、突起と係合孔という簡素な構成によって蓋を容器本体に固定することができるが、このものも蓋を容器本体に載せた後に回転する作業を怠った場合、突起が係合孔の水平部に係止されないため、容器本体が傾くと蓋が容易に脱落してしまう虞があった。

従来の電気ケトルよりも優れているのは蓋を意図的に回転させなくとも蓋が閉まる事です。
従来の電気ケトルの蓋は、使用者が意識的に回転させて閉める必要があったのです。
もし、最後まで回転させて閉めることを忘れてしまうと注ぐときに蓋の隙間から漏れてしまっていたのです。
(株)ドリッテクはこの点を問題視し、解決できないか研究を進め、本発明品が誕生したのです。
電気ケトルは電気ポットしかなかった時代において画期的な製品として誕生しました。
現在でも電気ケトルは一般家庭に普及しています。
特に一人暮らしでは重宝している場合が多いと思います。
新しい製品が出てくると第一段階目で、コンセプトの主な機能で同業他社が競い合います。
その主な機能が成熟すると、次の段階でサブの機能で競い合います。
そして最後は価格で競い合う段階を踏んでいくのです。
普及が終わった電気ケトルは素早く湧かすという主な機能に大きな違いはありません。
そうなると、他社製品よりも優れたものとするには、便利さや消費電力などサブの機能に違いを出す必要が出てきます。
本発明の電気ケトルは「蓋の閉め忘れ」の隠れたユーザーの不満点を見つけ、改善したことが特徴です。
隠れたニーズを見つけることは難しいことです。
しかし、蓋の閉め忘れという機能では、市場を圧巻することはできないでしょう。
同価格帯の電気ケトルを買おうとしているユーザーがデザイン性やちょっとした機能の違いを比較するときに検討する程度でしょう。
蓋の閉め忘れを防止できるから価格が高い物にする人は少ないと思います。
◆株式会社ドリテックは「蓋を置くだけで回転して締まる電気ケトル」を発明した。
◆発明された電気ケトルによってユーザーは、「蓋の閉め忘れによる水漏れ」を起こさないようになります。
◆この発明は「PO-360電気ケトル「タルボ」1.0L」として販売されています。
*HPの説明欄では「蓋を閉める」と記載があります。もしかしたらこの発明品の機能は次世代の製品で採用されるのかもしれません。
◆ この発明品は 画期的な手法で 蓋の閉め忘れという防止できても、市場を圧巻することはできないでしょう。
同価格帯の電気ケトルを買おうとしているユーザーがデザイン性やちょっとした機能の違いを比較するときに検討する程度でしょう。
![]() | 電気ケトル タルボ 1.0L PO-360WT RCP ドリテック 電気ケトル ケトル 沸かす お湯 注ぎ口カバー付き コーヒー 紅茶 お茶 調理器具 キッチン家電 店頭受取対応商品 価格:2,790円 |
