こんにちは!ぱかぞーです!
今回はアイリスオーヤマ株式会社の 電気掃除機に関する特許情報を紹介します!
*本記事では難解な特許を分かりやすく解説していきます。
詳細を知りたい人は該当の特許6893056から直接お調べください。
- スリムで吸引力の強いスティック型掃除機を探している人
- アイリスオーヤマのキャニスティッククリーナーの秘密を知りたい人
- アイリスオーヤマの製品研究開発動向を分析したい人
- 出願人(会社)について
「アイリスオーヤマ株式会社」 - どんな発明をしたのか
「コードリールと回路ユニットを適地に設置することでスリムな掃除機」
この発明は「キャニスティッククリーナー」として販売されています。 - どんな利益が期待できるのか
「スリムなスティック型なのに吸引力の強い掃除を扱うことが出来ます。」 - 従来の製品はどんなものだったのか
「掃除機本体において、電動送風機の背後にコードリールを設ける構造としているため、電動送風機とコードリールとの並び方向の厚みが大きくなるといった問題があったのです。」 - 市場性
「この発明品はスティック型の掃除機の吸引力を物足りないと思っている人に向けたものです。」
【請求項1】
塵埃を集塵する集塵部と、電動送風機が電動送風機室内に配置されている電動送風機部と、コードリールがコードリール室内に配されているコードリール部とを第1方向に有する掃除機本体を備え、 前記コードリールは、電源コードを巻き取る巻取軸が前記第1方向と交差する第2方向に沿うよう配され、 前記電動送風機部は、前記集塵部側から前記電動送風機室内に空気を取り入れるための吸気開口と、前記吸気開口から取り入れた空気を前記電動送風機室から排出するための内部排気開口とを有し、 前記掃除機本体は、前記内部排気開口から排出された空気を外部に排出させるための外部排気開口を有し、 前記内部排気開口は、前記電動送風機室において、前記第2方向の一方側に形成された内部排気開口を含み、 前記コードリール室は、前記第2方向において連通するよう第1開口及び第2開口を有し、 前記第2方向の一方側の内部排気開口から排出された空気は、前記コードリール室内に前記第1開口から流入して前記第2開口から流出し、前記外部排気開口から排出され、 前記第2方向について前記コードリール室より他方側において、回路ユニットが配された回路ユニット室を備え、 前記第2方向における一方側の内部排気開口から排出された空気は、前記コードリール室を通って前記回路ユニット室内に流入し、前記外部排気開口から排出される 電気掃除機。

アイリスオーヤマ が発明したのは「掃除機 」です。
上記の文章のままだと分かり難いので、文章を区切ってそれぞれを解釈をしていきます。
構成 | 請求項1 | 解釈 |
---|---|---|
A | 塵埃を集塵する集塵部と、電動送風機が電動送風機室内に配置されている電動送風機部と、コードリールがコードリール室内に配されているコードリール部とを第1方向に有する掃除機本体を備え、 前記コードリールは、電源コードを巻き取る巻取軸が前記第1方向と交差する第2方向に沿うよう配され、 前記電動送風機部は、前記集塵部側から前記電動送風機室内に空気を取り入れるための吸気開口と、前記吸気開口から取り入れた空気を前記電動送風機室から排出するための内部排気開口とを有し、 前記掃除機本体は、前記内部排気開口から排出された空気を外部に排出させるための外部排気開口を有し、 前記内部排気開口は、前記電動送風機室において、前記第2方向の一方側に形成された内部排気開口を含み、 前記コードリール室は、前記第2方向において連通するよう第1開口及び第2開口を有し、 前記第2方向の一方側の内部排気開口から排出された空気は、前記コードリール室内に前記第1開口から流入して前記第2開口から流出し、前記外部排気開口から排出され、 | 従来のリール式電源コード掃除機に似ている |
B | 前記第2方向について前記コードリール室より他方側において、回路ユニットが配された回路ユニット室を備え、 | 回路ユニットとリール室が離れている |
C | 前記第2方向における一方側の内部排気開口から排出された空気は、前記コードリール室を通って前記回路ユニット室内に流入し、前記外部排気開口から排出される電気掃除機。 | 排気がコードリール室を通過する。 |
請求項1を構成分けすると、A~Cの3つの構成から成り立つ文章であることがわかります。
構成Aは従来の掃除機であることを説明しています。
実際はコードリール室が特殊な位置に設置されているのですが、審査官はコードリール室の場所を変えるだけでは新規債が無いと判断しています。
構成BとCは発明品にある回路ユニットが特殊な位置にあることを説明しています。
この部分について審査官は新規性があると認めています。
出願人はこの発明品の最大の特徴がリール室を備えていてもスリムな掃除であると主張していますが、特許では回路ユニットの位置について新規性を認めています。
従って、アイリスオーヤマは回路ユニットの設置位置に特徴がある掃除機を作ったのです。
では、この発明品は我々にどんな恩恵を与えてくれるのでしょうか。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、コードリールを設けても、コンパクトにできる。

この発明品によって、「スリムなスティック型なのに吸引力の強い掃除を扱うことが出来ます。」
スティック型の掃除機はスリムで取り扱いが簡単であることが特長です。
しかし、その反面吸引力が弱いと言われています。
そこでアイリスオーヤマはコードリールや回路ユニットの位置を工夫しスリムながら強力な吸引力の掃除機を発明したのです。
【背景技術】
【0002】
本技術分野の電気掃除機として、例えば特許文献1に、「吸込口体と、前記吸込口体に連結される掃除機本体とを備え、前記掃除機本体には集塵部、電動送風機、及びコードリールが配置される縦型電気掃除機において、前記掃除機本体は上部にハンドルを備え、前記集塵部は前記掃除機本体の下部の集塵部取付部に着脱可能に装着され、装着時、前記吸込口体と前記掃除機本体との間に形成された第1吸気経路を通じて前記吸込口体に連通し、前記コードリールは前記電動送風機の背後に配置され、前記コードリールの回転軸は前記電動送風機の前後方向に延びるとともに前記電動送風機の軸線と略直交し、前記掃除機本体の上部には先端に吸込管を備えた吸込ホースが配置され、前記吸込ホースは、前記電動送風機と前記コードリールにより形成される隙間を通る第2吸気経路を通じて前記集塵部に連通することを特徴とする縦型電気掃除機」が開示されている。

従来の掃除機は、
掃除機本体において、電動送風機の背後にコードリールを設ける構造としているため、電動送風機とコードリールとの並び方向の厚みが大きくなるといった問題があったのです。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、コードリールを設けても、コンパクトにできる電気掃除機なのです。
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
アイリスオーヤマは大手家電メーカー です。
安くてお洒落だなと思うときは大体がアイリスオーヤマです。
機能性は程々にデザイン性が高く、お値段も抑え気味のコスパの良い商品を多く扱っています。
アイリスオーヤマは日本企業ですから商品の品質も高くなっており、非の打ちどころのないメーカーです。
近年著名になってきましたが、設立は1971年とかなりの老舗会社です。
日本のバブルやその後の家電ブームでは脚光を浴びることはありませんでしたが、近年は電気屋さんに行けば必ず見かけるメーカーとなりました。
決算情報 | 2020年度 | 2019年度 |
---|---|---|
売上高 | 6900 億円 | 不明 |
営業利益 | 不明 | 不明 |
経常利益 | 621 億円 | 不明 |
純利益 | 不明 | 不明 |
売上高が6900億円となっています。
上場していないもののアイリスオーヤマは大手企業です。
営業利益率は営業利益が不明の為わかりません。
しかし、家電事業が主力である為、経常利益と近い値となっているはずです。
経常利益は9%程となっています。
アイリスオーヤマは本業で稼げている安定した企業です。
純利益は不明ですが、コロナ禍によって2019年度よりも売り上げを伸ばしているニュースがあります。
恐らく二期連続黒字である為、アイリスオーヤマは財務的に問題のない会社と言えます。
「この発明品はスティック型の掃除機の吸引力を物足りないと思っている人に向けたものです。」
ダイソンからスティック型の掃除機が流行しました。
スティック型は持ち運びしやすく気軽にお掃除できることが特長です。
しかし、パワーが足りないことが欠点でした。
ダイソンのスティック掃除機はパワーがあるものの、高額であった為、広く普及することはできませんでした。
そんな中、アイリスオーヤマは手ごろな価格で必要十分なスティック型掃除機を発明したのです。
認知度は低いもののデザイン性も高く、今後大きく売り上げを伸ばしていくでしょう。
家電量販店に行った際は試してみると良いかもしれません。
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