アディダスがシューズ「ウルトラソール」の秘密を公開。軽くて頑丈で衝撃を吸収する素材が使われていた。

今回は特許6974540を紹介していきます。
＊詳細を知りたい人は該当の特許番号から直接お調べください。

【特許公報の利用について】

◆特許は権利者である企業が製造販売を独占的に行える排他的な権利です。
◆公的文章である為、企業は他の物よりも優れた点を嘘偽りない事実のみを書きます。
◆カタログやＣＭなど企業にとって都合のいい情報だけではなく、客観的な事実が特許では語られるのです。

【本記事を読むことで得られるメリット】

◆各社から発売される新製品の特長的な機能をいち早く知ることが出来ます。
◆正しい情報を元に他社類似品と比較して購入することができるようになります。
◆業界人は競合他社の数年後の方針がわかるので将来性の市場戦略がわかるようになります。

こんな人向けの記事です

アディダスが新たに特許を取得した製品がどんなものか知りたい人
業界関係者でアディダスの製品情報を集めたい人
機能的なスポーツシューズ、ランニングシューズを探している人

出願人（会社）について
「アディダス」
どんな発明をしたのか
「シューズ用、特にスポーツシューズ用の改善されたソール」
どうやって発明したか
「ランダムに配置された発泡材料の粒子を含む緩衝要素と、制御要素とをソールに備えさせた。」

どんな発明をしたのか

アディダスは、「シューズ用、特にスポーツシューズ用の改善されたソール」を発明した。

　シューズはソールによって多くの特性を備えています。靴底に当たるシューソールは一般的に足の保護機能を有しています。ソールは、シューズシャフトと比べて剛性が高くなっています。例えば着用者が鋭利な物体を踏んでも着用者の足を保護できます。さらに、シューソールは、耐磨滅性が高いので、通常、過度な摩耗に対してシューズを保護します。さらに、シューソールは、地面へのシューズのグリップ力を改善できるので、速く動けるようになります。シューソールの別の機能は、安定性して歩行できる機能です。さらに、シューソールは、例えば、シューズが地面に接する間に生じる力を吸収することによる緩衝効果を有しています。最後に、シューソールは、汚れおよび水しぶきから足を保護することもでき、複数の他の機能をもたらすこともできます。

　こうした多くの機能をシューソールに付与する為の材料があります。例えば、エチレン酢酸ビニル（ＥＶＡ）、熱可塑性ポリウレタン（ＴＰＵ）、ゴム、ポリプロピレン（ＰＰ）、またはポリスチレン（ＰＳ）のシューソールがあります。ＴＰＵは非常に耐磨滅性が高く引き裂きにくい特徴を、ＥＶＡは、安定性が高く緩衝効果が比較的良好なことを特徴を付与できる。さらに、発泡（expanded）材料、具体的には発泡熱可塑性ウレタン（ｅＴＰＵ）を使用することが知られていた。例えば、フォーム状熱可塑性ウレタンをベースとするソールに、そのシューズシャフトが粘着して連結されたシューズの製造方法があります。発泡熱可塑性ウレタンは、軽量であり弾性および緩衝特性が特に良好であることを特徴としています。

　足が地面を踏むときに生じる衝撃エネルギーを緩衝および吸収する、すなわち垂直方向に緩衝することに加えて、ランニング中など、地面に接したときに足と一緒にシューズが急に止まることが知られている。こうした衝撃を地面や、シューソールが十分に吸収できない場合、衝撃は膝に伝達されます。これは、運動器官の過度な負担につながり、怪我を助長させます。一方で、シューソールの衝撃耐力が過度になると、速くランニングする間に安定性が失われ、怪我のリスクが高くなってしまいます。さらに、衝撃耐力が、中足部のつま先の領域で上昇すると、ランニング中にシューズがスリップする感覚を着用者に与える恐れがあり、これは、着用の快適性を低下させる恐れがあります。

　その問題を解決するために、ランニング中に生じる衝撃力の一部を、関節を酷使しない形で吸収できるソールの構造が知られています。しかし、こうしたソールは重量が重く、製造が複雑で部品数が多くなってしまい高価になってしまいます。

　これらの課題を解決するために、アディダスはシューズ用、特にスポーツシューズ用の改善されたソールを発明したのです。

どうやって発明したのか

「ランダムに配置された発泡材料の粒子を含む緩衝要素１１０と、制御要素１３０とをソールに備えさせた。」

　発泡材料を含む緩衝要素を使用することは、シューソールの構築に特に有利です。その発泡材料は、非常に軽量であると共に足が地面を踏むときに衝撃エネルギーを吸収し、それをランナーに戻すことができるからです。それにより、ランニング効率が向上し、運動器官への衝撃荷重が軽減されるのです。
　また、ランダムに配置された発泡材料の粒子を使用することでもたらされます。粒子は特に扱いが簡単であり、そのランダムな配置により製造中に向きを整える必要がないので、製造が非常に容易となるのです。

出願人（会社）について

アディダスは世界中で有名なスポーツブランドです。

　我々のイメージとしてはスポーツ用品の大手企業でしょう。スポーツ選手にとっては自身のパフォーマンスを向上させるためのパートナーでもあります。売り上げも1兆円を超えている巨大企業です。スポーツ業界ではナイキをライバルとしています。

まとめ

アディダスはシューズソールに発泡材料を使うことで、着用者の負担を減らしながらパフォーマンスを向上させるソールを発明しました。

　昔、シューズソールに空洞を作り、空気を閉じ込めた商品が人気になりました。ナイキのエアーマックスという商品です。その頃から、歩行時にソールに与えられる衝撃をいかに和らげつつ、運動性能を落とさないかをアディダスは研究してきました。そして、今日、ようやく発明に至ったのが発泡素材です。発泡素材というと。我々は発泡スチロールを代表的なものとしてイメージします。近年ではウレタン発泡による低反発クッションなどもあります。素材そのものの特性と、形状を変化させることで今までにない素材を生み出されました。その技術をシューズソールに転用したのが本発明です。軽くて頑丈で衝撃吸収性の高い理想的なシューズが発明されたのです。

この発明品は既に商品となっています。
アディダスのウルトラシリーズとして発売されております。
興味のある方は、下記リンクからお確かめください。