こんにちは!
エジソンの発明書の管理人ぱかぞーです!
今回は今話題のバルミューダが出願した新型スティック型掃除機に関する特許情報を紹介します!
普通の家電メーカーとは違い、ニッチな市場を席巻しようとするバルミューダ。
今度は一体どんな発明をしたのでしょうか。
*本記事ではWO2020/213076(令和2年10月22日)を引用しています。
詳細を知りたい人は当該の特許番号から直接お調べください。

こんな人向けの記事
- 今、話題のバルミューダが発明した製品を知りたい人
- スティック型掃除機の購入を検討している人
- バルミューダの製品研究開発動向を分析したい人
- 出願人(会社)について
「バルミューダ」 - どんな発明をしたのか
「吸引ヘッドに搭載された4つのローラーがそれぞれ自由自在に回転するスティック型掃除機です!」 - どんなメリットを期待できるのか
「前後移動だけではなく、回転させる時も掃除機ヘッドのモーターアシストによってストレスなく楽に掃除することができます。」 - 従来の製品はどんなものだったのか
「掃除機ヘッドのモーターアシストが前後方向にしか作用しないので操縦者が回転など複雑な動きをさせたときにアシストできていなかった。」
バルミューダが発明したのは「 吸引ヘッドに搭載された4つのローラーがそれぞれ自由自在に回転するスティック型掃除機 」です。
【請求項1】
掃除機において、清掃面上のゴミを吸い取る吸引ヘッドと、前記吸引ヘッドにおける第1の回転軸に取り付けられた第1の回転ブラシと、前記吸引ヘッドにおける前記第1の回転軸に取り付けられ、前記第1の回転ブラシとは独立して駆動する第2の回転ブラシと、前記吸引ヘッドを移動させるユーザ操作方向に応じて、前記第1の回転ブラシの駆動と、前記第2の回転ブラシの駆動とを個別に制御する制御部とを有することを特徴とする掃除機。

上記の文章のままだと分かり難いので、文章を区切ってそれぞれを解釈をしていきます。
構成 | 請求項1 | 解釈 |
---|---|---|
A | 掃除機において、清掃面上のゴミを吸い取る吸引ヘッドと、前記吸引ヘッドにおける第1の回転軸に取り付けられた第1の回転ブラシと、 | 回転ブラシのある掃除機 |
B | 前記吸引ヘッドにおける前記第1の回転軸に取り付けられ、前記第1の回転ブラシとは独立して駆動する第2の回転ブラシと、 | 吸引ヘッドに同軸上に二つの回転ブラシが並んでいる。 |
C | 前記吸引ヘッドを移動させるユーザ操作方向に応じて、前記第1の回転ブラシの駆動と、前記第2の回転ブラシの駆動とを個別に制御する制御部とを有することを特徴とする掃除機。 | 上記の二つのブラシの回転方向がそれぞれ独立して制御されている。 |
請求項1を構成分けすると、A~Cの3つの構成から成り立つ文章であることがわかります。
本発明品は二つの回転ブラシが同軸上に並列し、独立した制御になっていることが最も重要な発明部分です。
では、この発明品は我々にどんな恩恵を与えてくれるのでしょうか。
この発明品によって、我々は
「 前後移動だけではなく、回転させる時も掃除機ヘッドのモーターアシストによってストレスなく楽に掃除することができます。 」
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、吸引ヘッドを移動させるユーザ操作方向に応じて、第1の回転ブラシの駆動と、第2の回転ブラシの駆動とを個別に制御することで、ユーザ操作の負荷を軽減するアシスト機能を実現できる。
回転ブラシがそれぞれ独立した制御で回転できるということは、掃除するときに前後に掃除機を動かした時にブラシの動きによって楽に掃除できるだけではなく、戦車やルンバのようにその場で回転できる動きにも対応できるようになります。
どんな動きに対してもブラシの回転アシストが効けば、掃除の操作の負担が軽減されます。
スティック型の掃除機は本体が重たいので、どんな動きにもアシストが効けば操作しやすくなります。この発明はスティック型掃除機と相性の良いと思います。
掃除機ヘッドのモーターアシストが前後方向にしか作用しないので操縦者が回転など複雑な動きをさせたときにアシストできていなかった。
【背景技術】
【0002】
従来、掃除機において、吸引ヘッドを移動させるユーザ操作をアシストする技術が提案されている。例えば、特許文献1には、吸引口体(吸引ヘッド)の左右に走行車輪を設けた電気掃除機が開示されている。これらの走行車輪は、正逆転可能なモータによって回転駆動し、これによって、電気掃除機を操作する人の負担を軽減する。また、特許文献2には、床ノズル(吸引ヘッド)に1本の回転ブラシを設けた電気掃除機が開示されている。この回転ブラシは、床ノズルの前後移動に伴って回転方向が切り替わり、これによって、掃除作業を効率的かつ確実に行うことができる。
従来の製品は、吸引ヘッドの両脇に車輪を取り付けていたのですが、ブラシは一つだけでした。車輪は動くものの、ブラシ自体は一つしかないのでブラシの回転が不自由で吸引が上手くできていなかったのです。
本発明品は、二つのブラシがそれぞれ動くので吸引力が落ちることなく快適に操作できるのです。
そして、図面では4つのブラシが搭載されていることがわかります。
請求項1では2つのブラシしか書いていませんが、実際の製品では1軸2ブラシを2軸搭載されています。
4隅にブラシを設置することで掃除方向によって吸引力が変わらないようにもしているのです。
また、既に製品として販売されておりますので興味を持った方は下記リンクからご参照ください。
![]() | 価格:59,400円 |

【氏名又は名称】 バルミューダ株式会社

バルミューダはおしゃれな生活家電メーカー です。
バルミューダは「スチームトースター」「オーブンレンジ」などレトロでおしゃれな商品を取り扱っています。
四季報によると、扇風機や調理家電を主力にしています。
機能性やデザイン性を高く評価されています。
メディア露出をしているため、テレビでよく紹介されています。
そして、流行りのファブレス(自社工場を持たない)ですので利益が生まれやすい収益構造となっています。
バルミューダは2003年に設立しました。
そして2015年にヒット商品となった「スチームトースター」を販売しました。
その前は扇風機を主力としていましたが、スチームトースターの活躍によってバルミューダといえばトースターのイメージが付きました。
バルミューダはHPで「素晴らしい体験を」をキーワードに掲げています。
バルミュ ーダはお客様が道具やサービスに求めているのは、驚きや感動、嬉しくなるような体験と考え、電化製品という道具を通して、心躍るような、素晴らしい体験を皆様にお届けしたいと考えているようです。
決算情報 | 2020年度 | 2019年度 |
---|---|---|
売上高 | 126 億円 | 108 億円 |
営業利益 | 13 億円 | 11 億円 |
経常利益 | 13 億円 | 10 億円 |
純利益 | 8 億円 | 6 億円 |
売上高は126億円です。
バルミューダーは中小企業といったところでしょうか。
設立から18年でここまで大きく成長したことを考えれば今後にも期待できそうです。
営業利益率は約10%です。
一般的には十分な利益率です。
ファブレスですから、設備や人員など原価に影響するコストを抑えられています。
経済的に優良企業と言えます。
経常利益と営業利益は殆ど同じ金額となっています。
バルミューダは本業で稼いでいる安定した企業です。
純利益率は6%です。
大体3%を超えていれば十分ですから問題ありません。
また純利益は2019年度と比べて増益しています。
コロナ渦の巣ごもり特需の影響でしょうか。
バルミューダは財務的に問題のない会社と言えます。