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バッテリーの盗難防止、持ち運ぶために作られた電動自転車「TRANS MOBILLY NEXT」/その発明は、バッテリーにあった。

今回は特許6991564を紹介していきます。
*詳細を知りたい人は該当の特許番号から直接お調べください。

【特許公報の利用について】

◆特許は権利者である企業が製造販売を独占的に行える排他的な権利です。
◆公的文章である為、企業は他の物よりも優れた点を嘘偽りない事実のみを書きます。
◆カタログやCMなど企業にとって都合のいい情報だけではなく、客観的な事実が特許では語られるのです。

【本記事を読むことで得られるメリット】

各社から発売される新製品の特長的な機能をいち早く知ることが出来ます。
正しい情報を元に他社類似品と比較して購入することができるようになります。
◆業界人は競合他社の数年後の方針がわかるので将来性の市場戦略がわかるようになります。

こんな人向けの記事です

  • ジックが新たに特許を取得した製品がどんなものか知りたい人
  • 電動自転車関係者でジックの製品情報を集めたい人
  • 携帯しやすい折り畳み電動自転車を探している人

目次

  1. 出願人(会社)について
    ジック株式会社
  2. どんな発明をしたのか
    バッテリーの盗難と軽量化による携帯性を向上させた折り畳み電動自転車
  3. どうやって発明したか
    取り外しやすい小型のバッテリーをハンドルに備えることで、バッテリーの盗難防止を図り、電動自転車の構造設計の制限を無くし、自転車の携帯性能を向上させた。

どんな発明をしたのか

ジックが発明したのは「 バッテリーの盗難と軽量化による携帯性を向上させた折り畳み電動自転車 」です。

 電動自転車には、リチウムイオン電池のような充電が可能なバッテリーが用いられたバッテリー装置が搭載されています。
電動自転車のバッテリー装置(以下、「バッテリー装置」という。)は、大容量のバッテリーを用いるため、重量が嵩み、車体のバランスを考慮して電動自転車の重心位置の近傍に強固に固定されています。
 近年、折り畳むことが可能な自転車にバッテリー装置を搭載したものが提案されています。
電動折り畳み自転車は、折り畳みが可能な構造であるため、バッテリー装置を取り付ける位置に制約があり、電動折り畳み自転車の重心位置の近傍のシートチューブの後面やバックフォークの上面にバッテリー装置を取り付けたものがあります。

 走行可能距離を十分に長くするためにバッテリー容量を大きくすると、バッテリー装置の重量や大きさが嵩み、電動折り畳み自転車の見栄えが低下し、車体の大型化や重量化を招く要因となります。
また、重くて大きいバッテリー装置は、停車時、取り外して携行するのに支障があるうえに、バッテリー装置の取り外しが容易でないため、電動折り畳み自転車に取付け固定されたままとなります。
そのため、バッテリー装置が盗難に遭うおそれがあり、これを防止するために、バッテリー装置に施錠機構を組み込む必要があり、バッテリー装置の構造が複雑となり、コスト高を招きます。
 電動折り畳み自転車は、簡便であって持ち運びに便利であることが要請されます。
そのために、車体の軽量化が最重要であり、バッテリー装置の搭載によって車体の重量が増すことは利用者にとって受け入れ難いのです。

これに対して、走行可能距離の方は、折り畳み自転車の簡便性を考えると、必要最小限の距離(例えば10km程度)が確保できれば、利用者の要望は概ね満たされます。
走行可能距離を10km程度を確保するには、バッテリー容量は2.8A・h程度でよく、バッテリー装置の重量も500g以下に抑えられ、バッテリー装置を大幅に小型化できます。

 この発明は、上記の観点からなされたものであり、この発明が目的とするところは、電動自転車の見栄えを向上し、電動自転車に対する取り付けや取り外しが容易であり、構造が簡易で低コストの電動自転車のバッテリー装置、およびそのバッテリー装置が搭載された電動折り畳み自転車を提供することにあります。

どうやって発明したのか

取り外しやすい小型のバッテリーをハンドルに備えることで、バッテリーの盗難防止を図り、電動自転車の構造設計の制限を無くし、自転車の携帯性能を向上させた。」 

 この発明による電動自転車のバッテリー装置は、電動自転車のハンドル上に固定される取付ベースと、取付ベース上に取り外しが可能に取り付けられるバッテリーケースとを含みます。
バッテリーケースは、バッテリーを収納するバッテリー収納部と、バッテリーを充電するための充電端子とを備えています。
取付ベースとバッテリーケースとの間には、電動自転車のモータ駆動部とバッテリーとの間を電気的に接続する電気接続部と、取付ベース上にバッテリーケースを定位させて電気接続部が接続された状態に保持する保持機構部とが設けられています。

 自転車走行に先立ち、バッテリーケースの充電端子に外部電源を接続してバッテリーを充電した後、保持機構部によって、ハンドル上に固定された取付ベース上にバッテリーケースを定位させて電気接続部が接続された状態に保持します。
これにより、電動自転車に搭載されたモータ駆動部とバッテリーケース内のバッテリーとが電気的に接続され、モータ駆動部へバッテリーより駆動電力が供給されます。
走行を終えたとき、取付ベースよりバッテリーケースを取り外すと、電気接続部が非導通となり、モータ駆動部への電力供給が止まります。
取り外したバッテリーケースは、それ単独では軽量であり、バッテリーケースを携行するのに支障がなく、バッテリー装置が盗難に遭うことがなくなるのです。

 この発明によれば、小型化によって電動自転車の重心位置から離れた箇所、例えば、電動自転車のハンドル上に設置することができ、電動折り畳み自転車への設置に好適であり、電動自転車の見栄えを向上できます。
また、電動自転車からバッテリーケースのみを取り外すことができ、バッテリーケースの取り付けや取り外しも容易です。
さらに、施錠機構を組み込む必要がなく、構造の簡易化によりコストの低減をはかることもできます。

出願人(会社)について

ジック株式会社は自転車・自転車関連商品の販売及び輸出入する企業です

上場していない為、詳細な情報がありません。
HPを見ると「自転車事業におけるニッチマーケティングを営業戦略として、ライセンス自転車の企画販売を展開。ユニークな価値観を創造し、事業の多様化と国際化をはかります。」と書かれています。
ジックは製造を行っていないので、基本的にはアイディアを元に下請け会社に製造を依頼しているファブレス思想の会社と思われます。

まとめ

今回のジックはバッテリーの盗難と軽量化による携帯性を向上させた折り畳み電動自転車を発明しました。

近年、電動自転車が世界中で人気となっています。
その影響は日本にも届いています。
電動自転車は、二人乗りなど重量が重たくなる環境で力を発揮します。
そこで日本では子供と大人を乗せる子育て世代向けの二人乗り自転車に導入されていました。
次に、買い物需要からかごが大きいタイプの常用自転車へと展開されています。
そして、電動自転車の有用性が認められると、次は趣味やスポーツ用として電動自転車が展開されています。
現在では、旅行先でも電動自転車に乗る為に折り畳み電動自転車が人気となっています。
他方では、電動キックボードなどの需要も高まっています。
従って、現在は、車や交通機関を利用できるほど、簡単に携帯でき、小型化されているモビリティーの需要が高まっているのです。

そんな、背景を受けて、ジックは今までにない発想で折り畳み電動自転車を発明したのです。
発明に至った発想は「折り畳み電動自転車ならばバッテリーを小型化しても良いのではないか?」です。
現在の電動自転車業界における重要な指標の一つとして、走行距離が挙げられます。
これは自転車業界だけではなく自動車業界においても同じことが言えます。
しかし、ジックは敢えて走行距離ではなく携帯性(軽量化)を優先する発想をしたのです。
その為、バッテリーを小型化出来たり、装着位置を変えることが出来るようになったのです。
バッテリーの軽量化によって、自転車のフレーム設計も容易となりました。
重たいバッテリーであると、その重さの分、フレームの強度を上げる必要があり、軽量化や携帯性への影響があったのです。

本記事で紹介した特許はまさに一つの発想からたどり着いた面白い特許です。
他社牽制性を意識した特許も良いのですが、このような面白い発想が特許になると業界全体が盛り上がっていくと思います。
今後もジックの製品には期待したいと思います。

本記事で紹介した特許は既に製品となって販売されています。
リンクを張りましたので、興味のある方はご覧ください。

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