こんにちわ!ぱかぞーです。
今回の記事では「ブルームテック」を特許から解説していきたいと思います。
最近は健康意識の向上や、たばこの税金の上昇、オリンピックのせいでタバコを吸う場所が限られてきています。
さらに前々から副流煙による健康被害が指摘されており、喫煙家には不都合な社会になってきました。
そんな中で流行ったのがアイコスであったり、ブルームテックです。
アイコスもブルームテックも電子タバコです。その主な特徴の一つとして副流煙を出ないことでタバコを吸わない周りの人への配慮ができることです。
アイコスはフィリップモリスが発売し電子タバコブームを作りました。JT(日本たばこ産業株式会社)は以前から電子タバコを販売しておりましたが、アイコスの後追い製品として発売したのがブルームテックです。
今回はブルームテックに関する特許が出願されていたので解説してきたいと思います。
普段利用している電子タバコがどのような技術でできているのか。
またアイコスや他の電子タバコと比較して何が優れているのか。
特許にはそのような他社製品に対して優位な機能であったり消費者にとって価値のあることがメーカーの視点から書かれています。
その内容がまことに素晴らしければ特許となり、独占的に製造販売できる権利が与えられるのです。
特許出願という新たな視点からブルームテックの技術を理解するといつもと違った雰囲気を味わえるかもしれません。
是非最後までご覧ください。
- ブルームテックを特許から詳しく知りたい人
- ブルームテックが他社製品と比べて何が優れているのか知りたい人
- JTの特許から電子タバコの動向を研究したい人(業界人向け)
【本記事のまとめ】
JT(日本たばこ産業株式会社)から「ブルームテック」に関する出願がされていた。
この出願物には、電池残量やエアロゾル(カプセル)残量を知らせる新たな技術方法が書かれていた。
具体的にはエアロゾル残量が少なくなってきたら通知部が青色に発光させ、エアロゾルと電池が少なくなってきたら紫色に発光させるという方法だ。
具体的な商品は「ブルームテック 」である。

- 特開2020-137528(日本たばこ産業株式会社)について
- どうして新しい電子タバコを発明しようと思ったのか
- 今までの電子タバコにはどんな課題があったのか
- どうやってその課題を解決できたのか(製品の特長)
- この特許出願の商品は購入できるの?
- まとめ

特開2020-137528は2020年6月15日にJTから分割出願されたものじゃ。
元の出願日は2017年1月24日じゃ。
ブルームテックは2016年からテスト発売されておったのじゃが、新規性喪失の例外を適応して元の出願を1年以内に出願して、その後特開2020-137528を出願した経緯となっておる。
従って、ブルームテックの後継機、新型機に関する出願ではないから新しいものが発売されるということではないぞ。

新しいブルームテックに関する出願かと思ったけどそうじゃないんだね。
でも今のブルームテックがどういう経緯で発明されたのか、その特徴的な機能を知ることはできるんだね。

そういうことじゃ。
まずは、ざっくりとどんな発明に関する出願なのか
特開2020-137528から引用
【要約】
【課題】エアロゾル又は香味が付与されたエアロゾルの吸引に必要な要素の交換等のタイミングをユーザが認識しやすい吸引装置を提供する。
【解決手段】吸引装置100Aは、蓄積した容量を消費することにより、エアロゾル又は香味が付与されたエアロゾルの生成に寄与するように構成される要素110及び104と、既定の変数を検知するように構成されるセンサ112と、エアロゾルの吸引者に対して通知を行うように構成される通知部108と、検知又は推定された容量が閾値未満であり、且つ、変数がエアロゾルの生成を要求するための既定の条件を満たす場合、通知部108を第1モードで機能させるように構成される制御部106とを含む。

電子タバコを使っている人に吸い終わったことを知らせる新たな方法を発明したという出願じゃ。
吸引装置が電子タバコ本体のことじゃ。
エアロゾルはタバコの味のものとなるものじゃ。

ブルームテックの全体の発明というよりは、一部の機能に関する出願なんだね!

特許は製品全体を権利とすることもできるのじゃが、なるべく広い範囲で権利を取りたい場合は一部の機能だけに留める必要があるのじゃ。
今回の場合は分割出願じゃから、元の出願とは異なる部分で出願したんじゃな。
特開2020-137528から引用
【背景技術】
【0002】
一般的な電子たばこやネブライザーなどの、ユーザが吸引するエアロゾルを生成するための吸引装置においては、エアロゾルを生成するためのエアロゾル源やエアロゾルに香味を付与するための香味源などの要素を特定の吸引回数毎に交換しなければ、十分な吸引体験をユーザに提供することができない。
【0005】
また、一般的な電子たばこやネブライザーを用いて満足のいく吸引を行うためには、霧化部に電力を供給するバッテリの残量だけでなく、エアロゾルを生成するためのエアロゾル源の残量や、エアロゾルに香味を付与するための香味源の残量をも適切に管理する必要がある。しかし、エアロゾルの吸引に必要なこれらの要素は、それぞれの特性や搭載容量に起因して、残量を回復させるタイミングや頻度が大きく異なることが多い。このため、これらの複数の要素の残量をそれぞれ適切なタイミングで回復させることは、ユーザにとって決して簡単ではなかった。
【0007】
また、エアロゾルを生成するためのエアロゾル源及びエアロゾルに香味を付与するための香味源を用いて吸引体験を提供する一般的な電子たばこやネブライザーなどの吸引装置においては、エアロゾル源及び香味源の残量を適切に管理しなければ、十分な吸引体験をユーザに提供することができない。しかし、エアロゾル源及び香味源は、残量を回復させるタイミングや頻度が大きく異なるので、これらの要素の残量をそれぞれ適切に管理することは決して簡単ではなかった。

簡単にまとめると、
①交換、充填、充電等のタイミングをユーザが認識しにくい。
②残量の回復をユーザが怠る可能性がある。
③残量を容易に管理することができない。
ということを問題視したのじゃな。
この問題を解決できれば商機が見いだせるとJTの発明者は考えて研究を行ったのじゃ。

電子タバコは小さいし、口にくわえるから近すぎて視認しづらいよね。
普通のタバコでも気づいたら短くなっててやけどしそうな人もいたよ。
でもこういうことは最初からわかってそうだよね。
他の発明者は今までどうにかしようと考えなかったの??

もちろん考えておったぞ。
次の章で説明するぞ。
特開2020-137528から引用
【0003】
この問題に対する解決策として、発光ダイオード(LED)などを用いてユーザに通知することにより要素の交換を促す技術が知られている。しかし、エアロゾル源や香味源の交換が必要になったタイミングで通知を行っても、そのタイミングはユーザがLEDに必ずしも注意を払ってはいないため、そのような通知は、エアロゾルの吸引中などの状況においてユーザが見落とし易いものであった。
【0004】
この問題に対する別の解決策として、特許文献1には、吸引の累積時間が所定の閾値を越えた場合にスリープモードへ移行する電子式蒸気供給装置が開示されている。しかし、特許文献1に開示された技術は、ユーザに対して視覚的に通知を行うものではないので、必ずしもユーザに対して適切なタイミングで要素の交換を促すものではなかった。
【0006】
この問題に対する解決策として、特許文献2には、エアロゾル源を有する第1カートリッジの交換タイミングと香味源を有する第2カートリッジの交換タイミングとを連動させる技術が開示されている。しかし、残量を回復させるタイミングや頻度が大きく異なる吸引に必要な複数の要素の回復の必要性を、ユーザが理解し易いように通知するという点において、依然として改善の余地があった。
【0008】
この問題に対する解決策として、特許文献2には、エアロゾル源を有する第1カートリッジの交換タイミングと香味源を有する第2カートリッジの交換タイミングとを連動させることにより、これらの要素の残量を管理するための負担を低減する技術が開示されている。さらに特許文献2には併せて1カートリッジや第2カートリッジの交換タイミングを報知することにより、同様にこれらの要素の残量を管理するための負担を低減する技術が
開示されている。しかし、これらの要素の交換タイミングにおいて、第2カートリッジのみを交換すればよいのか、併せて第1カートリッジも交換する必要があるのかが判別しにくいという点で、依然として改善の余地があった。また、これらの要素の交換タイミングにおいて、どのように報知すれば、継続した吸引ができるように複数の要素の残量の回復をユーザに促せるかという点についても、依然として改善の余地があった。

①交換、充填、充電等のタイミングをユーザが認識しにくい。
という問題に対しては、LEDなどの発光装置を電子タバコに取り付けたのじゃ。
しかし、それでもユーザーが見落としてしまっていて交換を知らせるのに十分な解決方法とは言えなかったのじゃ。
また、使用中に所定の時間を経過すると自動で電源を落としてスリープモードにする方法も考えられたのじゃが、視覚的にユーザーに知らせる方法ではなかったので、交換を知らせるのに十分な方法ではなかったのじゃ。
②残量の回復をユーザが怠る可能性がある。
という問題に対しては、エアロゾルのカートリッジと香味のカートリッジの交換のタイミングを連動させる方法がとられたのじゃ。
しかし、吸い方によってそれぞれのカートリッジの消費量が異なるし、すぐに交換しなくとも味が変わらないことからユーザーが交換を必要と感じられなかったのじゃ。
③残量を容易に管理することができない。
という問題に足しては、電池とエアロゾルの残量を連動させてユーザーに通知する方法をとったのじゃ。
しかし、どちらの残量が無くなったのかをユーザーが理解しやすくする方法には改善の余地が残ったのじゃ。

使っているときに、急に味が変わるとびっくりするよね。
でも面倒だからそのままカートリッジを交換しないことが多いんだね。
味が無くなったら、電池が切れたのかエアロゾルが無くなったのかということに直ぐに気が付くんだけど、どっちが無くなったのかちゃんと見ないとわからなくて面倒だよね。

電子タバコはここ10年で成長してきた分野じゃから改善すべき点が多くあるのじゃ。
次は、JTの発明者がどうやってそれらの課題を解決したのか説明するぞ。
特開2020-137528から引用
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した第1の課題を解決するため、本開示の第1の実施形態によれば、蓄積した容量を消費することにより、エアロゾル又は香味が付与されたエアロゾルの生成に寄与するように構成される要素と、既定の変数を検知するように構成されるセンサと、前記エアロゾルの吸引者に対して通知を行うように構成される通知部と、検知又は推定された前記容量が閾値未満であり、且つ、前記変数が前記エアロゾルの生成を要求するための既定の条件を満たす場合、前記通知部を第1モードで機能させるように構成される制御部とを含む、吸引装置が提供される。
【0031】
上述した第2の課題を解決するため、本開示の第2の実施形態によれば、蓄積した容量を消費することにより、エアロゾル又は香味が付与されたエアロゾルの生成に寄与するように構成される複数の要素と、前記エアロゾルの吸引者に対して通知を行うように構成される通知部と、前記複数の要素のうちのそれぞれの要素に関して、検知又は推定された容量が該要素について設定された閾値以下という要件を含む該要素について設定された既定の条件が満たされる場合に、前記通知部を機能させるように構成される制御部とを含み、前記条件は、前記複数の要素のうち、前記エアロゾルを継続して生成するのに必要な容量を有する状態に戻すための作業が行われる頻度が高いものほど、厳しい、吸引装置が提供される。
【0049】
また、上述した第3の課題を解決するため、本開示の第3の実施形態によれば、蓄積した容量を消費することにより、エアロゾル又は香味が付与されたエアロゾルの生成に寄与するように構成される第1及び第2の要素と、前記エアロゾルの吸引者に対して通知を行うように構成される通知部と、前記第1の要素について検知又は推定された第1容量が第1閾値未満であり且つ前記第2の要素について検知又は推定された第2容量が第2閾値以上である場合、前記通知部を第1モードで機能させ、前記第1容量が前記第1閾値未満であり且つ前記第2容量が前記第2閾値未満である場合、前記通知部を前記第1モードとは異なる第2モードで機能させるように構成される制御部とを含み、前記第1の要素について、前記エアロゾルの継続的な生成に必要な容量を有する状態に戻すための作業が行われる頻度が、前記第2の要素についての該頻度よりも高い、吸引装置が提供される。

難しい言葉がでてきておるが、簡単にまとめると、
「エアロゾルと電池の残量を検知するセンサーとそれを知らせるために二つの通知モードを設定した」ということじゃ。
例えば、エアロゾルが少なくなってきたら第一のモードを起動して通知する。
電池残量が無くなれば第二のモードを起動して第一のモードとは異なる方法で通知する方法をとったのじゃ。
具体的には、エアロゾル残量が少なくなってきたら通知部が青色に発光させ、エアロゾルと電池が少なくなってきたら紫色に発光させる方法をとったのじゃ。

発行の色で何が少なくなってきたのかわかるようにしたんだね。
なんか誰でも思いつきそうだけど、電子タバコではまだ行われていなかったんだね!

そういうことじゃ。
特許は誰でも思いつきそうなことであっても、まだ実践されていなければ権利として認められるのじゃ。
電子タバコは最近流行ってきた新しい業界じゃから単純なことでも特許となりやすいのじゃな。
さらに言えば他の業界で当たり前のことでも、それを電子タバコに適用できることが容易に発想できるかどうかを精査されるぞ。
例えば、通知に関してはガラケーの時は発光体の色や点滅パターンでメールの着信、電話の着信などを見分けておった。それを電子タバコに転用するということが容易に考えられるかということじゃ。

特許って難しいね。
テストみたいに〇〇点以上なら特許として認められたらいいのにな。

審査基準は明確になっておるぞ。
しかし、業界によって発明の価値が相対的に変わるし、発明者や、審査員によっても判断が変わるのじゃ。
特許を巡っては裁判に発展することもよくあることじゃ。

だから文字とか表現が難しいことになっているんだね。
裁判になるんじゃしっかり書かないと勝てないもんね。

この特許出願物には具体的な商品に関する情報が書かれているぞ。
「ブルームテック」のことじゃよ。

普段使っている人も電池残量とかエアロゾルが無くなったときに光ることが特許になりそうと思えたら、考え深いね。
喫煙所でこの話をすれば盛り上がりそうだね(笑)
JT(日本たばこ産業株式会社)から「ブルームテック」に関する出願がされていた。
この出願物には、電池残量やエアロゾル(カプセル)残量を知らせる新たな技術方法が書かれていた。
具体的にはエアロゾル残量が少なくなってきたら通知部が青色に発光させ、エアロゾルと電池が少なくなってきたら紫色に発光させるという方法だ。
具体的な商品は「ブルームテック 」である。