こんにちは!ぱかぞーです!
今回は任天堂株式会社のゲームコントローラ に関する特許情報を紹介します!
*本記事では難解な特許を分かりやすく解説していきます。
本記事では特開2021-064313から文章と図を引用させて頂いています。
詳細を知りたい人は該当の特許番号から直接お調べください。


●ゲームが好きな人、ヘビーユーザー、プロゲーマー
●任天堂のコントローラーはどうやって設計されているか知りたい人
●任天堂の今後の製品展開を知りたい人(業界人向け)
- 出願人について
「任天堂株式会社」 - どんな発明をしたのか
「アナログスティックと本体の接触方法を変えることで従来に無い操作感のコントローラー」を発明した。
この発明は「Nintendo Switch Proコントローラー」として販売されています。 - どんな利益が期待できるか
「 よりスムースな操作感のあるコントローラーを得ることが出来ます。」 - 従来の製品はどんなものだったか
「アナログスティックの操作が本体の形状によって制限されていた。」 - 市場性
「 プロユーザーとヘビーユーザー向けの出願内容ですからニッチな市場に対応する意味で価値のある出願物である為、 この発明の特徴の恩恵を受ける人は少ないでしょう。」 - まとめ
![]() | 価格:7,063円 |

【氏名又は名称】 任天堂株式会社

任天堂は大手ゲームメーカー です。
任天堂は「マリオ」「Switch」「ゲームボーイ」「スーパーファミコン」など有名な商品を取り扱っています。
四季報によるとゲーム機ハード、ソフトで総合首位です。
海外のシェア高い為、ドル建て資産多く期末為替で経常益変動しやすいです。
任天堂は1889年に花札の製造を開始した所から歴史が始まっています。
そして次にトランプに着手しています。
1983年になると、一部上場すると「ファミリーコンピューター」を発売しました。
任天堂は「ホームエンターテインメントの分野で、健全な企業経営を維持しつつ新しい娯楽の創造を目指しています。」を経営の基本方針として掲げています。
任天堂は家庭を楽しくする娯楽となるものを作ることを目指しています。
家庭用ゲーム機やトランプなど家庭で遊べますし、一人よりも複数人で遊べる製品が多いことも、基本方針に従っていることが伺えます。
決算情報 | 2020年度 | 2019年度 |
---|---|---|
売上高 | 1兆7589 億円 | 1兆3085 億円 |
営業利益 | 6406 億円 | 3523 億円 |
経常利益 | 6789 億円 | 3604 億円 |
純利益 | 4803 億円 | 2586 億円 |
売上高が1兆円を超えています。
任天堂は日本に限らず世界を代表する超巨大企業です。
営業利益率は約36%です。
大手企業の中でもかなりの高水準の利益率です。
経済的に優良企業と言えます。
経常利益は営業利益と比べて約400億円多い金額になっています。
本業以外の収入で400億円は多い気がしますが、経常利益の約6%ほどですからあまり気にしなくても良いでしょう。
任天堂は本業の飲料で最も稼いでいる安定した企業です。
純利益は2019年度と比べて大幅に増益しています。
コロナ渦の巣ごもり特需とはいえ、大幅な増益です。
任天堂は財務的に問題のない会社と言えます。
【請求項1】
開口を有するハウジングと、当該開口から一部が露出し、当該開口の周縁方向に移動可能な操作部材とを備え、
前記操作部材は、
前記開口から露出され、ユーザにより操作されるキートップと、
前記キートップから下方に延びる軸部と、
前記軸部から突出する突出部とを有し、
前記ハウジングの内部に設けられ、前記操作部材が前記開口の周縁方向に移動した場合に、前記突出部が接触する被接触部を更に備える、入力装置。

任天堂が発明したのは「 コントローラー 」です。
上記の文章だと分かり難いので、文章を区切ってそれぞれを解釈をしていきます。
構成 | 請求項1 | 解釈 |
---|---|---|
A | 開口を有するハウジングと、当該開口から一部が露出し、当該開口の周縁方向に移動可能な操作部材とを備え、 | アナログスティックのことを説明している。 |
B | 前記操作部材は、 前記開口から露出され、ユーザにより操作されるキートップと、 前記キートップから下方に延びる軸部と、 前記軸部から突出する突出部とを有し、 | アナログスティックの詳細な説明をしている。特徴的なのはスティック根元に突出部がある |
C | 前記ハウジングの内部に設けられ、前記操作部材が前記開口の周縁方向に移動した場合に、前記突出部が接触する被接触部を更に備える、入力装置。 | アナログスティックを操作した時にスティックの根元にある突出部が接触する箇所があることを説明している。 |
請求項1を構成分けすると、A~Cの3つの構成から成り立つ文章であることがわかります。
構成Aはアナログスティックのような操作部がある一般的なコントローラーであることを説明しています。
従って、構成Aは従来のものと比べて新しい部分がありません。
構成Bは構成Aの形状を詳細に説明しています。
特徴的なのはスティック部の根元に突出部があることです。
従って、構成Bは発明の本質の部分です。
構成Cは構成Bを補助する説明です。
コントローラー本体に構成Bの特徴部分が接触する部分が用意されています。
スティック根元の突出部と本体の受けの部分があることが本発明の発明の本質部分です。
では、この発明品は我々にどんな恩恵を与えてくれるのでしょうか。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、操作部材の動きを従来にない手法で制限することができる。

この発明品によって、我々は「従来操作したことのない感覚でアナログスティックを操作できるようになります。」
発明品のアナログスティックを倒すと図11の413の部分が受け座の421に接触していることがわかります。
発明品のスティックであれば、逆向きのお椀が回転するようにスティックが回転する為、スムースな操作感が得られるようになります。
一方、通常のコントローラーではスティックの根元に413のような突出部がありません。
スティックを操作すると、コントローラー本体の10の部分と412のスティックの軸が接触します。
その為、スティックの動きが制限されてしまうのです。
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術では、多方向入力部が操作されると多方向入力部の軸部がハウジングに接触することで、多方向入力部の動きが制限されていた。

従来のコントローラーはアナログスティックの操作が本体の形状によって制限されていた。
昔から、多方向入力部を備えるゲームコントローラがあります。
例えば、多方向入力部としてアナログスティックを備え、コントローラのハウジングに設けられた開口からアナログスティックが露出され、ユーザによってアナログスティックが操作されるコントローラーがあります。
このコントローラーのアナログスティックはコントローラーの開口部であるハウジングの大きさや形状によってスティックの動きが制限されていたのです。
従来の方法とは異なる方法でアナログスティックを制御するために任天堂はアナログスティックの根元に突出部分と本体に受け座を用意したのです。
「この発明の特徴の恩恵を受ける人は少ないでしょう。」
この出願物だけの特徴では市場を席捲できるような発明品にはなりません。
アナログスティックの操作感の違いを気にする人はプロゲーマーやゲームが好きな人が多いと思うからです。
恐らくこの出願物は新型のswitchのコントローラーを初めに今後も使用される可能性が高いと思われます。
しかし、任天堂のゲームの購入者はPSやPCゲームと比べてライトなユーザー(ファミリーなど)が多いのです。
従って、操作感が異なる程度の改良では多くの人がお金を出してまで購入しないでしょう。
どちらかと言えば、プロユーザーとヘビーユーザー向けの出願内容ですからニッチな市場に対応する意味で価値のある出願物である言えます。
ニッチな市場とはいえ、ゲーム業界大手ですから売り上げは相当なものになると思います。
本出願では新型コントローラーの一部の機能だけの出願ですが、他にも新しい機能を搭載していることもあります。
製品として売れるかどうかは一つの特許ではなく製品としての完成度が求められます。
◆任天堂は「アナログスティックと本体の接触方法を変えることで従来に無い操作感のコントローラー」を発明した。
◆この発明によってユーザーは、「よりスムースな操作感のあるコントローラーを得ることが出来ます。」
◆この発明は「Nintendo Switch Proコントローラー」として販売されています。
![]() | 価格:7,063円 |

◆従来の製品は アナログスティックの操作が本体の形状によって制限されていた。
◆プロユーザーとヘビーユーザー向けの出願内容ですからニッチな市場に対応する意味で価値のある出願物である為、 この発明の特徴の恩恵を受ける人は少ないでしょう。