今回は特許6970315を紹介していきます。
*詳細を知りたい人は該当の特許番号から直接お調べください。

- エースコックが新たに特許を取得した製品がどんなものか知りたい人
- 業界関係者でエースコックの製品情報を集めたい人
- 特許を取得したカップ麺がどんなものか知りたい人
- 出願人(会社)について
「エースコック」 - どんな発明をしたのか
「湯戻し調理時に湯の表面から麺塊が浮くのを抑制することができる足跡油揚げ麺」 - どうやって発明したか
「湯戻し調理後に、特定範囲の硬さと、特定範囲のコシとなるように即席油揚げ麺を調整した」
エースコックはカップ麺などで有名な食品メーカーです。
エースコックといえば「豚キム」「大盛り1.5倍スーパーカップ」ですね。若い時にガッツリ食べたい時にお世話になる商品です。創業は1948年なので老舗企業です。また資本金も19億円を終えていますので中小企業とは言えません。売り上げは1000億円と迫っており、大企業といえます。売り上げ比率は国内と海外で半々となっており、意外にもグローバルな企業です。
「湯戻し調理時に湯の表面から麺塊が浮くのを抑制することができる足跡油揚げ麺を発明した。」
即席油揚げ(フライ)麺は、通常、生麺線を蒸煮してα化処理した麺を150℃程度の高温の油でフライ処理して乾燥させた麺であり、熱湯を注加するだけ、又は1〜数分程度炊いて調理するだけで喫食することができます。該即席油揚げ麺は、その麺質が多孔質であり、しかも油分を含むことから、調理する際、麺塊の一部が湯に浮いた状態になり、それが粉末スープの溶け残りの原因となっています。
湯戻し調理時の油揚げ麺の浮きを抑えるため、種々の方法が提案されています。一つ目に、アラビアガムを含む麺原料と水とを混練して混練物を調製する工程を含む即席麺類の製造方法。二つ目に、麺原料に対してカルボキシメチルセルロースナトリウム塩を0.05〜5重量%の割合で配合する、即席麺類の製造方法。三つ目に、麺原料1kg当たりリン酸塩類を2〜15g含む麺帯を調製する工程と、該麺帯を圧延率が60%以上のロール圧延を少なくとも一つ含む圧延によって圧延する工程と、を有する即席油揚げ麺類の製造方法。四つ目に、麺原料粉と、炭酸ナトリウム及び/又は炭酸カリウムを前記麺原料粉100重量部に対して合計で0.3〜0.6重量部と、商品に使用可能な酸性物質とを混練して、pHが7.5〜8.5のドウを調製する工程を含む即席油揚げ麺類の製造方法が提案されています。しかしながら、これらの方法で得られた麺は、湯中に麺塊全体が完全には沈まず、湯の表面から麺塊の一部が浮いた状態となっていました。
本発明は、湯戻し調理時に湯の表面から麺塊が浮くのを抑制することができる即席油揚げ麺を提供することを目的としています。
「湯戻し調理後に、特定範囲の硬さと、特定範囲のコシとなるように即席油揚げ麺を調整した。」

エースコックは、湯戻し調理時に湯の表面から麺塊が浮くのを抑制することができる即席油揚げ麺を開発すべく鋭意検討した結果、レオメータを用いて、湯戻し調理後の即席油揚げ麺の破断試験を行ったときの総エネルギー及び微分最大値を特定の範囲内にすることによって上記目的が達成できることを見出しました。
すなわち、湯戻し調理後に、即席油揚げ麺の破断試験を、くさび型プランジャーを取り付けたレオメータを用いて、20〜25℃において0.5mm/秒の測定速度で行ったときの総エネルギーが175〜350kJ/m3、かつ最大微分値が0.45〜1N/%である、即席油揚げ麺を作りました。
【レオメーターとは】
レオメータは、一定速度で上から下方向に押圧でき、押圧時のエネルギーを数値化できる装置です。
【総エネルギーと最大微分値】
総エネルギーは、最初の測定点から最後の測定点までの仕事量であり、「硬さ」を表しています。最大微分値は、基準の測定点とその次の測定点との間の荷重の変化の度合い(微分値)の最大値であり、「コシ」と表しています。
エースコックはお湯を入れた後、麺が浮き上がりを抑制するカップ麺を発明しました。
カップ麺は、お湯を入れるだけで簡単に食べられる食品です。カップ麺自体がすごい発明品ですが、エースコックはさらに、湯戻し中に麺が浮き上がらない発明をしました。この麺の浮き上がり現象は、乾麺の上にのるかやくの湯戻しを遅くしてしまったり、スープの粉の混ざりを抑制してしまう現象でした。今までは、ユーザーは乾麺の油戻し後にお箸などを使い、手動でかやくやスープ粉を混ぜていました。しかし、エースコックはそんな手もをも解決しようと開発に取り組んだのです。我々消費者は、気づいたら便利になっていたと思ってしまうような発明ですが、このような発明を次々とすることで今の快適な生活を得られていると思わせるような発明でした。
この発明品がどの商品に使われているのか、エースコック殻開示されておりません。しかし、麺浮現象はどのカップ円にも起きている現象なので、気づいたらエースコックの商品だけ麺が浮いていなくなっているかもしれません。特許とは関係ないと思いますが、エースコックの商品リンクを貼っておきます。
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