今回は、下記の特許を解説します。
号(令和4年1月26日)
発明の名称「頭部保護帽体用内装ユニット及びこれを備えた頭部保護帽体」
出願人「スターライト工業株式会社 」
*詳細を知りたい人は該当の特許番号から直接お調べください。

- 出願人(会社)について
「スターライト工業株式会社 」 - どんな発明をしたのか
「各種センサーがあっても、その電子機器の取外しが容易であり、メンテナンスを迅速に行なうことができるヘルメット」 - どうやって発明したか
「ヘルメットの内装体であるヘッドバンド部とハンモック部にセンサーを取りつけた」
シャープは工業用ヘルメットなどの保安安全用品を取り扱うメーカーです。1936年に創業している老舗メーカーです。上場はしていない為、業績は明らかではありませんが、研究開発部門があるなど、投資をしていますので業績には問題ないと思います。
「各種センサーがあっても、その電子機器の取外しが容易であり、メンテナンスを迅速に行なうことができるヘルメット」

従来、ヘルメットに電極を取付けて体温等の生体情報を計測し、この生体情報から被験者の疲労度、眠気等を検知し、警告し休憩を促すシステムを備えたものがありました。
また、疲労監視するヘルメットとして、脳波情報を取得するものや、生体情報などを検出するスマートヘルメットとして、ヘッドバンド若しくはあご紐に生体情報取得用電極を備えたものがありました。
しかし、これらはいずれも、各種センサや制御機、通信機、バッテリーなどの電子機器がそれぞれ別々にヘルメットに取り付けられていたり、一部又は全部がヘルメット本体に組み込まれていたりしていた。その場合、汚れたヘルメット本体の洗浄やバッテリーの交換を行なうためには、電子機器が故障しないようにそれぞれを取り外したり、分解したりする必要があり、メンテナンスが非常に煩雑となるものでした。特に工場や建設現場において熱中症を監視するヘルメットの場合等、頭部又は頭部周囲の測定情報が必要な帽体においては、センサをヘルメット内に内蔵する必要があり、センサを外してヘルメットや電子機器のメンテナンスが行えないといった問題がありました。
そこで、ユーザーの頭部の生体情報や動作情報、頭部周囲の環境情報等に関するデータを検出する各種センサを設けた頭部保護帽体であっても、帽体からの電子機器の取外しが容易であり、メンテナンスを迅速に行なうことができる頭部保護帽体用内装ユニット及びこれを備えた頭部保護帽体を発明するに至りました。
「ヘルメットの内装体であるヘッドバンド部とハンモック部にセンサーを取りつけた。」

本発明のヘルメットユニットは、帽体の内側に組み付けられ、前記帽体に着脱自在に組み付けられる内装体と、該内装体に一体的に設けられます。前記頭部保護帽体を作業での使用時の使用者の頭部の生体情報、前記使用者の頭部周囲の環境情報、及び、前記使用者の動作情報のデータを検出する各種センサとを備え、該各種センサが、前記帽体に対し前記内装体とともに着脱自在に組み付けられます。前記内装体は、ヘッドバンド部及びハンモック部を備え、前記生体情報に関するデータを検出するセンサが、前記ヘッドバンド部において前記使用者の頭部に接触する位置に設けられ、前記環境情報に関するデータを検出するセンサが、前記ハンモック部の外側で前記帽体の頂部近傍に設けられ、前記動作情報に関するデータを検出するセンサが、前記ヘッドバンド部に設けられます。
この発明品ならば、頭部又は頭部周囲にセンサを備える保護帽であっても、内装体を取り外すことで、各種センサを帽体から外すことができ、帽体の交換や洗浄等のメンテナンスを容易に行なうことができるようになります。
スターライト工業は、ユーザーの生体情報を収集するセンサーを簡単に取り外しの出来るヘルメットを発明しました。
ヘルメットは一般人にはあまり馴染みの無い道具です。しかし、工事現場では生死を分つ重要なアイテムです。私は本特許を読んで最新のヘルメットを知ることが出来ました。工事現場は屋外である事が多く、エアコンも存在しません。夏場は炎天下の中、肉体労働をしますから熱中症のリスクが増します。さらに工期を守るために日夜働くこともあります。我々が利用している商用施設や公共施設はこのような人達のお陰で作られています。本発明のヘルメットは、そんな人たちの体調管理を見やすくし、データをも収集することで事前に危険を回避できるようになる道具です。年に数回は工事現場で事故が起こる悲しいことがあります。そんな事故をなくす為にも現場の監督や会社はこのような最新の道具を現場の人のために導入しましょう。
この発明品は既に、「eMETシリーズ」として発売しています。商品を利用するには下記リンクから直接お問合せください。