こんにちは!ぱかぞーです!
今回はサントリーホールディングス株式会社の 低甘味の炭酸飲料に関する特許情報を紹介します!
*本記事では難解な特許を分かりやすく解説していきます。
詳細を知りたい人は該当の特許6931433から直接お調べください。

- 炭酸水が好きな人で後味がすっきりとしたものを探している人
- サントリーの炭酸水の美味しさの秘訣を知りたい人
- サントリーの製品研究開発動向を分析したい人
- 出願人(会社)について
「サントリー株式会社」 - どんな発明をしたのか
「特定量のアルコールを含む炭酸水」
この発明は「天然水スパークリングレモン」として販売されています。
*下欄外から参照ください - どんな利益が期待できるのか
「後味がすっきりとした炭酸水を飲むことが出来る」 - 従来の製品はどんなものだったのか
「甘みが強いものと弱いものしかなく、ちょうどよい甘さのものが無かった。」
「炭酸を強くする技術はあったが、後味を改善する技術は無かった。」 - 市場性
「この発明品は炭酸飲料市場において一部のすっきりとした炭酸水を飲みたい人に向けた製品です」
![]() | 価格:3,542円 |

【氏名又は名称】サントリーホールディングス株式会社
サントリーは大手飲料メーカー です。
コーヒーの「BOSS」、ジュースの「なっちゃん」、お茶の「伊右衛門」、炭酸飲料の「ペプシ」など有名な商品を取り扱っています。
飲料業界では第2位ではありますが、国内最大手の一つです。
国内だけではなく、最近は欧州、東南ア、オセアニア中心に海外展開積極的しているようです。
サントリーは創業が1899年です。
最初に手掛けたのはぶどう酒の製造販売でした。
日本人の味覚に合った洋酒をつくり、日本の洋酒文化を切り拓きたいという思いで創業しました。
そして1937年には有名な「サントリーウイスキー角瓶」を販売しました。
現在はお酒だけではなく飲料全体を手掛けております。
決算情報 | 2020年度 | 2019年度 |
---|---|---|
売上高 | 1兆1781 億円 | 1兆2993 億円 |
営業利益 | 961 億円 | 1139 億円 |
経常利益 | 941億円 | 1121 億円 |
純利益 | 522 億円 | 688 億円 |
売上高が1兆円を超えています。
サントリーは日本を代表する超巨大企業です。
営業利益率は約8%です。
大手企業の中では少し低めですが、食品業界であれば十分に経済的に優良企業と言えます。
経常利益は営業利益と殆ど同じ金額になっています。
サントリーは本業の飲料で最も稼いでいる安定した企業です。
純利益は2019年度と比べて減少していますが、設備投資をしている可能性もあります。
黒字であることが重要なので、サントリーは財務的に問題のない会社と言えます。
【請求項1】
(a)甘味度が0.6〜2.0であり、
(b)炭酸ガス圧が3.0kgf/cm2以上であり、かつ
(c)0.005〜1.0v/v%のエタノールおよび/またはプロピレングリコールを
含有する、炭酸飲料

サントリー が発明したのは「 炭酸飲料 」です。
上記の文章のままだと分かり難いので、文章を区切ってそれぞれを解釈をしていきます。
構成 | 請求項1 | 解釈 |
---|---|---|
A | (a)甘味度が0.6〜2.0であり、 | 甘過ぎない程度で甘さを感じる。 |
B | (b)炭酸ガス圧が3.0kgf/cm2以上であり、かつ | 炭酸の刺激を感じる。 |
C | (c)0.005〜1.0v/v%のエタノールおよび/またはプロピレングリコールを含有する、炭酸飲料 | 低刺激性の液体をわずかに含んでいる。 |
請求項1を構成分けすると、A~Cの3つの構成から成り立つ文章であることがわかります。
構成Aは発明品の甘みを説明している部分です。
この部分は発明品がコーラのような甘い炭酸飲料はなく、甘みの少ない炭酸水であることを説明しています。
構成Bは発明品の炭酸の強さを説明しています。
この部分は発明品が微炭酸ではなく炭酸の刺激を十分感じられる強さを持っていることを説明しています。
構成Cは発明品にエタノール、プロピレングリコールが含まれていることを説明しています。
エタノールはアルコールですので発明品にはお酒がわずかに含まれていることを説明しています。
構成AとBは従来にある構成ですから、本発明の新しい部分は構成Cであるといえます。
従って、サントリーは炭酸水にわずかにお酒を入れた発明品を作ったのです。
では、この発明品は我々にどんな恩恵を与えてくれるのでしょうか。
【発明の効果】
【0008】本発明によって、甘味度が0.6〜2.0で炭酸ガス圧が3.0kgf/cm2以上の強炭酸飲料において、特定量のエタノールおよび/またはプロピレングリコールを含有させることにより、飲用後に残る炭酸の不快な刺激を改善することができる。すなわち、本発明の技術を利用することによって、飲用後に残る炭酸の不快な刺激が改善された、低甘味度で高ガス圧の炭酸飲料を提供することができる。ここで、飲用後に残る不快な刺激とは、具体的には、飲用後数秒にわたって喉の奥に感じるピリピリとした刺激をいう。

この発明品によって、我々は、「後味がすっきりとした炭酸水を飲むことができます。」
炭酸水はコーラのような炭酸飲料と違って甘みが少ないのが特徴です。
甘みが少ないので炭酸の苦みを感じやすく後味に苦みが残ってしまうのです。
そこでサントリーは炭酸水であっても後味に苦みを感じさせず、すっきりとした炭酸水を発明したのです。
【背景技術】
【0003】
市場に流通している強炭酸飲料を見ると、コーラのように味が濃く甘味も強い嗜好性の高いタイプの製品と、いわゆる炭酸水と呼ばれる甘味が全くないタイプの製品とに分けることができ、甘味の強さにおいて二極化しており、その中間の弱い甘味を有する強炭酸飲料製品はこれまでにほとんどなかった。
【0004】
また、これまで、強炭酸飲料に関する技術として、炭酸の刺激を増強させる技術は多く知られている。例えば、特許文献1には、低甘味の炭酸飲料において、苦味成分の種類の特定ならびにその配合比と、苦味度に対する酸度の比率についての条件を特定範囲にすることで、飲用時の炭酸感を増強させる技術が開示されている。しかし、飲用後に残る炭酸の不快な刺激の改善技術については知られていない。

従来の炭酸飲料は、
甘みが強いものと弱いものしかなく、ちょうどよい甘さのものが無かった。
また、炭酸を強くする技術はあったが、後味を改善する技術は無かった。
従来の炭酸飲料はコカ・コーラの様に炭酸の強さと甘みを楽しむものだったり、甘さを控えて炭酸の刺激を楽しむものが主流でした。
炭酸の刺激を楽しめる炭酸水はより炭酸を強くして刺激を楽しめる強炭酸水なども製品も登場しています。
しかし、従来の発明者は刺激の強さだけに注目してしまい、強炭酸によって後味が悪くなっていることを改善する考えが無かったのです。
その後味の苦みを楽しむ人もいましたが、多くの人はすっきりとした後味を好んでいたのです。
その点に気が付いたサントリーは炭酸水なのに後味がすっきりとしたものを発明したのです。
「この発明品は炭酸飲料市場において一部のすっきりとした炭酸水を飲みたい人に向けた製品です」
この発明品は炭酸水です。
炭酸飲料と違って甘みを抑えていることが特長です。
炭酸飲料は甘みの強いものが多くの市場を占めており、炭酸水は一部の市場に留まります。
甘みが強いのが嫌で炭酸水を好む人、健康を意識して炭酸水を好む人がこの市場に該当します。
従って、炭酸水の需要は少なく今後も大きく伸びることはないでしょう。
![]() | 価格:3,542円 |
