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時代は変わった!​ペットボトルも電子レンジで温められるようになった!​伊藤園の特許技術を公開!

今回は、下記の特許を解説します。

特許第7014533号(令和4年1月24日)
発明の名称「電子レンジ加温用容器詰飲料及びその販売方法
出願人「株式会社  伊藤園
*詳細を知りたい人は該当の特許番号から直接お調べください。

図1 本発明の実施形態の一例である容器本体の概略断面図を示した図

目次

  1. 出願人(会社)について
    株式会社  伊藤園 
  2. どんな発明をしたのか
    電子レンジを用いて加温した際、飲料が突沸するのを抑えることができ、しかも、均一に加熱することができるペットボトル
  3. どうやって発明したか
    飲料容器における円筒胴部の直径b、縦横長さ比a/b、さらに容器本体底部における凹部深さwを規定すると共に、飲料液の粘性を規定することに電子レンジで加温できるペットボトルを発明した

出願人について

 株式会社  伊藤園は、茶葉製品・緑茶飲料最大手です。傘下にタリーズコーヒーを抱えています。我々のイメージはおーいお茶のCMからお茶の会社です。上場しており、売り上げは4400億円を超えています。単なるお茶メーカーではなく、研究開発部門が存在する一流の会社です。

どんな発明をしたのか

電子レンジを用いて加温した際、飲料が突沸するのを抑えることができ、しかも、均一に加熱することができるペットボトル

HPから引用「レンチンボトル」
チェックポイント

 保温気にあるペットボトルは成分が劣化しやすく、手間も電気代もかかっていた。購入者は冷えてしまうとペットボトルのまま温めることが簡単にできなかった!

 コンビニやスーパーマーケット等において、多種の弁当や惣菜が販売されており、これらの商品の購入者は合わせて容器詰飲料(ペットボトル)を購入することがあります。その時、店内に設置してある電子レンジを用いて加温することがあります。しかし、容器詰飲料に関しては、店内において電子レンジで加熱することは行われておらず、店内において常温状態、冷蔵状態又は加温状態で保管・陳列された容器詰飲料を購入してそのまま持ち帰るのが一般的です。

 コンビニエンスストアなどでは、容器詰飲料をホットプレート方式のホットウォーマーを使用して、店舗内で加温された状態で保管・陳列して販売されることが多くなって来ています。しかし、高温状態で長期間保管されると、飲料成分の変化による機能性の低下や香味の低下が生じることになる問題を抱えていました。

 もし、容器詰飲料に関しても、店内に設置された電子レンジを用いて、店員又は購入者が加温することができれば、購入者としては、季節に関係なく、好みの温度に加温して飲むことができるし、他方、店側としても、店内において、ホットウォーマーを使用して、店舗内で加温された状態で保管・陳列する必要がなくなり、加温劣化の問題がなくなるばかりか、商品管理をより効率よく行うことができるようになります。

 そこで、加温販売が可能な容器詰飲料の提供に関する技術としては、電子レンジでの加温を対象としたものではないが、例えば、ガラス製の容器部を有し、密封したままで電子レンジによる加温のでき、加温後に持ち運びの出来る使い捨ての液体飲料容器があります。しかし、一般的な容器詰飲料をそのまま加温する場合には、飲料が突沸したり、一部が非常に熱くなったり、一部が加温されなかったり、均一な加熱の点が十分に担保されないという問題を抱えていたのです。

 そこで、店内に設置された電子レンジを用いて加温した際、飲料が突沸するのを抑えることができ、しかも、均一に加熱することができる新たな電子レンジ加温用容器詰飲料を発明するに至りました。

どうやって発明したのか

飲料容器における円筒胴部の直径b、縦横長さ比a/b、さらに容器本体底部における凹部深さwを規定すると共に、飲料液の粘性を規定することに電子レンジで加温できるペットボトルを発明した」

HPから引用「レンチンボトルの使い方」
チェックポイント

 均一に飲料液を加熱できるように、ペットボトルの形状だけではなく、飲料液の粘性も工夫した!

 本発明が提案する電子レンジ加温用容器詰飲料は、飲料容器における円筒胴部の直径b、縦横長さ比a/b、さらに容器本体底部における凹部深さwを規定すると共に、飲料液の粘性を規定することにより、電子レンジを用いて加温した際、飲料が突沸するのを抑えることができ、しかも、均一に加熱することができるようになります。
 従って、店内において上記容器詰飲料を0~35℃に維持した状態で陳列する一方、店内には、当該電子レンジ加温用容器詰飲料を加温するための電子レンジを設置することにより、店内において、購入者又は店員が、電子レンジを用いて所望する温度に暖めることができ、非常に効率的な販売が可能となります。
 しかも、販売者としては、複数の温度帯の商品を予め準備する必要がなくなるばかりか、加温状態で長期間保管する必要がなくなるため、製品劣化を防止するための温度管理を行う必要性がなくなるというメリットを享受することができます。
 更に、電子レンジを用いることで、顧客の好みに応じて任意の温度に簡単に温めることができるため、より顧客ニーズにあった商品を提供することができるようになるのです。

まとめ

 伊藤園は、電子レンジで温められるペットボトルを発明しました。

 コンビニやスーパーでお弁当やおにぎりを買ったときにお茶を買う人は多いと思います。寒い時期では、お弁当と一緒にお茶を温めたいと誰しもが考えたと思います。現在は、暖かい装置の中にあらかじめペットボトルを置くことで温かいお茶を飲むことができます。しかし、お店側の観点では、温める装置の電気代が高くなってしまったり、ペットボトルが劣化してしまったりと、デメリットがありました。購入者の観点では暖かいペットボトルの種類が少ない事や、冷めてしまったペットボトル飲料を再度温めるにはコップに移し替える必要がありました。このデメリットは昔から知られていましたが、ペットボトルの構造上、電子レンジで温めてしまうと、容器が歪んでしまったり、中身が突沸してしまう危険性がありました。この課題を解決することは昔から行われていましたが、上手くいきませんでした。そん中、伊藤園はついに電子レンジで温められるペットボトルを発明したのです。

 この発明品は、「レンチンボトル」として発売しています。興味のある方は下記リンク先をご参照ください。

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