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美容師も驚く!?ヘアドライヤーの使い方や髪が乾くメカニズムをパナソニックが解説【特許で解説】

今回は特許6986717を紹介していきます。
*詳細を知りたい人は該当の特許番号から直接お調べください。

【特許公報の利用について】

◆特許は権利者である企業が製造販売を独占的に行える排他的な権利です。
◆公的文章である為、企業は他の物よりも優れた点を嘘偽りない事実のみを書きます。
◆カタログやCMなど企業にとって都合のいい情報だけではなく、客観的な事実が特許では語られるのです。

【本記事を読むことで得られるメリット】

各社から発売される新製品の特長的な機能をいち早く知ることが出来ます。
正しい情報を元に他社類似品と比較して購入することができるようになります。
◆業界人は競合他社の数年後の方針がわかるので将来性の市場戦略がわかるようになります。

こんな人向けの記事です

  • パナソニックが新たに特許を取得した製品がどんなものか知りたい人
  • 業界関係者でパナソニックについて情報を集めたい人
  • 新しいヘアドライヤー洗濯機の購入を考えている人
  • ヘアドライヤーがどうやって髪の毛を乾かしているのかを知りたい人

目次

  1. 出願人(会社)について
    パナソニック
  2. どんな発明をしたのか
    「毛髪の全体をより適当な乾燥状態にすることができるヘアドライヤー
  3. どうやって発明したか
    ヘアドライヤーに風が毛髪に当たっているか否かを検知する毛髪検知部と風が毛髪に当たっている時間を計測する時間計測部と髪の乾燥状態を判定する判定部と前記判定部により判定された結果に基づいてユーザーに伝達する伝達部を備えた。

どんな発明をしたのか

【発明の効果】
  本発明に係るヘアドライヤーによれば、毛髪の全体をより適当な乾燥状態にすることができる。

パナソニックが発明したのは「毛髪の全体をより適当な乾燥状態にすることができるヘアドライヤー」です。

従来、この種のヘアドライヤーとして、例えば、毛髪から発せられる赤外線を検知することによって毛髪の温度を検知し、検知された毛髪の温度が所定の温度に達すると、LEDを点灯するように構成されたヘアドライヤーがあります。 
しかし、従来のヘアドライヤーでは、毛髪の全体をより適当な乾燥状態にするという観点において、未だ改善の余地があったのです。
その為、パナソニックは、前記課題を解決することにあって、毛髪の全体をより適当な乾燥状態にすることができるヘアドライヤーを発明したのです。 

発明品をどうやって作ったのか

【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明に係るヘアドライヤーは、風を送風する送風部と、前記送風部から送風された風が毛髪に当たっているか否かを検知する毛髪検知部と、風が毛髪に当たっていることを前記毛髪検知部が検知した時間を計測する時間計測部と、前記時間計測部により計測された時間に基づいて毛髪の乾燥状態を判定する判定部と、前記判定部により判定された結果に基づいて、毛髪の乾燥状態に関する情報をユーザーに伝達する伝達部と、を備える。

ヘアドライヤーに風が毛髪に当たっているか否かを検知する毛髪検知部と風が毛髪に当たっている時間を計測する時間計測部と髪の乾燥状態を判定する判定部と前記判定部により判定された結果に基づいてユーザーに伝達する伝達部を備えた。」 

毛髪の全体をより適当な乾燥状態にするには、毛髪の全体が最適な水分量になるまで、毛髪の全体を過不足なく加熱することが望まれます。 
従来、毛髪の温度が乾燥状態の判断として利用されていますが、毛髪に含まれる水分量は、毛髪の温度とは関係が無いのです。 
例えば、温風を当てている毛髪において、加熱開始時には、毛髪に含まれる水分量が35%であり、毛髪の温度が30度であるとします。
また、加熱終了時において、毛髪に含まれる最適な水分量が10%であり、最適な水分量にするのに必要な毛髪の温度が60度であるとします。
この場合、ヘアドライヤーによって加熱し始めたとき、下記の図8に示すように、毛髪の温度が急速に上昇し、約50度以上になると、毛髪の温度変化が小さくなります。 

図8

毛髪の温度が約60度に到達すると、温度をほぼ一定に維持しつつ、水分量が減り続けます。
より具体的には、毛髪に含まれる水分量が10%~20%であるとき、毛髪の温度は約60度で維持されるのです。
このため、従来のヘアドライヤーでは、毛髪に含まれる水分量が最適な水分量である10%になる前に、LEDが点灯してしまうのです。
そうすると、ユーザーは、温風を当てている毛髪の部分の乾燥が終了したと勘違いして、温風を当てる部分を毛髪の他の部分に変えるか、或いはヘアドライヤーの停止させてしまい、毛髪の全体の乾燥状態が不充分となるのです。
また、通常、ユーザーは、毛髪の全体をより均一に乾燥させるために、温風を当てる毛髪の部分を変えます。
このとき、温風によって加熱され、最適な水分量に到達した毛髪の部分の温度は、温風を当てていない間に低下します。
この状態で、当該毛髪の部分に再び温風を当てると、当該毛髪の部分の温度が60度に到達するまでLEDが点灯しません。
このため、ユーザーは、当該毛髪の部分の乾燥が不充分であると誤認識して、当該毛髪の部分に温風を当て続けてしまうことが起こり得てしまい、毛髪の全体が過剰に加熱してしまうのです
これに対し、パナソニックは、下図9に示すように、毛髪の乾燥状態と風が毛髪に当たっている時間との間に相関関係があり、さらに、当該相関関係が毛髪において風を当てる場所に依らないということに気が付いたのです。 

図9

図9は、毛髪の根元及び毛先のそれぞれに風を当てた場合における、毛髪の重量と風が毛髪に当たっている時間との関係を表すグラフです。 
毛髪の重量の変化は、毛髪に含まれる水分量の変化を示しています。 
図9から、風が毛髪の根元に当たっている時間と毛髪の重量との間、及び風が毛髪の毛先に当たっている時間と毛髪の重量との間に同様の相関関係があることが確認できます。 
この理由として以下のことが考えられます。
毛髪の根元に風を当てた場合では、毛髪は風で頭皮に押し当てられることで固定された状態で乾燥されます。
一方、毛髪の毛先に風を当てた場合では、毛髪は固定されずに風でなびくが、風で毛髪がなびくことにより毛束が解け、風と毛髪との接触面積が増加して毛髪は乾燥されます。 
この結果、毛髪において風を当てる場所に依らず、風が毛髪に当たっている時間と毛髪の重量との間に同様の相関関係が得られます。 
このため、毛髪において風を当てる場所を特に意識することなく毛髪を乾燥させることができるのです。
この新しい発見によって、パナソニックは、風が毛髪に当たっている時間に基づいて毛髪の乾燥状態を判定し、当該毛髪の乾燥状態に関する情報をユーザーに伝達することで、毛髪の全体をより適当な乾燥状態にできることを見出し、発明に至ったのです。 

出願人(会社)について

パナソニックは日本を代表する家電メーカー です

どのご家庭にも少なくとも一つはパナソニックの家電製品を利用しているのではないでしょうか。
四季報によると、総合家電大手でAV機器、白物家電が主力となっています。
電池などのデバイス事業、照明、住宅設備も展開しています。
売上も年間で6兆円を超えている巨大企業です。
サポートも手厚いので発明品が製品化されても、安心して購入できると思います。

まとめ

今回のパナソニックが取得したヘアドライヤーの特許は髪の毛が乾燥した時にユーザーにお知らせしてくれる機能です。
このような機能は昔からありましたが、毛髪の熱を検知して判断するものでしたが、今回の発明品は毛髪に風が当たっている時間を測定して判断するものとしたのです。
この発明は、パナソニックが、ドライヤーの時間と毛髪の重量(水分量)が相関関係にあることに気が付いた点がポイントです。
従来品はドライヤーを当てている部位を変える度にお知らせのLEDが付いたり消えたりしてしまい、ユーザーに勘違いをさせてしまっていましたが、発明品は、一度LEDが点灯すると電源を切るまで点灯が続くのでユーザーの誤認を防ぐことができるのです。
ドライヤーで毛髪を乾燥させすぎると、毛髪や頭皮へのダメージが増えてしまい、薄毛に近づいてしまいます。
その為、ユーザーはちょうどよい乾燥状態でドライヤーを終了させたいのです。
そのユーザーの気持ちを叶える為に、従来のヘアドライヤーを発明していましたが、今回、改良されたヘアドライヤーを発明したのです。

本発明品は、まだ市販されていないのが残念ですが、特許を取得していますから製品化される可能性が高いと考えています。
発売されましたら、記事を更新いたします。
参考までに現在発売されているパナソニックの最新のドライヤーのリンクを張っておきます。

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