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自動車のフィルター技術をマスクに応用!?顎にフィットする「纏」マスク(特許取得)

今回は、下記の特許を解説します。

特許第7037000号(令和4年3月7日)
発明の名称「マスク
出願人「株式会社ROKI
*詳細を知りたい人は該当の特許番号から直接お調べください。

図1 本実施形態のマスクの全体構成を示す図

目次

  1. 出願人(会社)について
    株式会社ROKI 
  2. どんな発明をしたのか
    顎部分をはじめとした顔面の各部分への密着性を向上させるとともに、呼吸のし易く快適性を向上させたマスク
  3. どうやって発明したか
    口の部分に当たるマスク側面にくびれを付け、口から顎部分プリーツの間隔を狭めた。

出願人について

 株式会社ROKIは、自動車用ろ過機器、空気清浄機・浄水器、燃料電池関連システム、コジェネフィルター・システム、不織布マスクの開発・製造・販売を行っている会社です。
 上場していない為、財務状況は不明ですが、従業員はグループで5500人であり、2018年の売り上げは900億円である故ことから大企業と言ってもよいでしょう。

どんな発明をしたのか

顎部分をはじめとした顔面の各部分への密着性を向上させるとともに、呼吸のし易く快適性を向上させたマスク

図2 本実施形態のマスク本体の断面構成を示す図
チェックポイント

 顎は顔面の中で細い為、マスクで隙間なく密着して覆うことは難しかった!

  従来、不織布等により形成されたマスクにおいては、着用者の着用時の不快感を抑えつつ、縁部において隙間なく密着して覆うことを課題としてきました。例えば、シートを折り重ねて複数のプリーツを形成して伸縮可能とするとともに、マスク本体の下端部において、凸曲した凹みを施して着用者の顎部へのフィット感を高めた製品が知られています。
 上記の従来のマスクでは、複数形成されたプリーツは上下対象にその折幅も均等に設けられています。しかし、着用者の顔面は、人によって異なっており、プリーツが伸縮可能であっても、顔面の各部分の相違にフィットさせることは難しかったのです。特に顎部分は、細いためマスクのたるみが出でしまい、側縁部に顔面との隙間が生じていました。このことは、顎部分に凹みを設けて顎部分自体のフィット性向上を図っても解消されるものではありませんでした。

  そこで、株式会社ROKIは、顎部分をはじめとした顔面の各部分への密着性を向上させるとともに、呼吸のし易く快適性を向上させたマスクを発明したのです。

どうやって発明したのか

口の部分に当たるマスク側面にくびれを付け、口から顎部分プリーツの間隔を狭めた。

図6 本実施形態のマスク本体のくびれの構成を示す図
チェックポイント

 マスクの顎部分のプリーツ間隔を狭くし、折り曲げやすくさせ、顎とフィットさせ易くした!

  本発明のマスクは、着用者の顔面の対象部位を覆うシート状のマスク本体と、マスク本体を着用者の耳に係止するための左右一対の耳掛け部とを備えるマスクです。
また、シートを折り重ねて形成された複数のプリーツを備え、顔面に当接する裏面とその反対の表面とが区別されています。
また、着用者の鼻部及びその周辺を覆う第1被覆領域と、着用者の顎部及びその周辺を覆う第2被覆領域と、上部と下部との間で、着用者の口部及びその周辺を覆う第3被覆領域とに区別されています。
また、第2被覆領域では、プリーツの折幅が第1被覆領域及び第3被覆領域よりも小さく、かつ、プリーツの折り山が、表面からみて下方から上方かつ裏面側に向かって複数形成されています。

  この態様であれば、顎部分のプリーツの折幅を他の部分よりも狭いので、顎部分においてカーブする形状にマスクを追従させ、フィットさせることができます。
これにより、この部分における余剰をなくすことができ、結果として側縁部と顔面のフィット感を高めることができます。
また、顎部分におけるプリーツの折り山が、表面から見て下方から上方かつ裏面側に向かって複数形成したことで、プリーツが伸びた際に、折り山が表面側に突出することとなり、マスク本体が顎部のカーブに沿った形状を維持し易くなります。
これにより、マスク本体の顎部へのフィット性が向上したのです。

まとめ

 株式会社ROKIは、顎にフィットするマスクを発明しました。

 マスクは外部の細菌の侵入を防いだり、自身の細菌を拡散してしまう事を防ぐ役割があります。この役割を高めるためにフィルター性能を高めたり、マスクと顔の密着感を高める必要があります。今回の特許は、密着感を高めるものです。ROKIは自動車用のフィルターを取り扱っていますから、フィルター性能に関しては十分な効果が期待できます。さらに、マスクと顔の密着感を高める事でマスクとしての役割を最大限に発揮できるようにしたのです。
 マスクは使い捨てである為、ランニングコストを考えると抑えたい気持ちが働きます。しかし、近年の衛生環境を考えると、価格よりも性能を重視する考えの方が強まっています。結局の所、安いマスクを使って、病気になってしまったら、医療費がかかってしまいます。事前に防げれば、医療費も辛い思いもしなくて済みます。このような考え方をしている人に向けた発明と言えるでしょう。

 この発明品は、「」として発売しています。
興味のある方は下記リンク先をご参照ください。

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