こんにちは!ぱかぞーです!
今回は株式会社 伊藤園の 緑色系飲料 に関する特許情報を紹介します!
*本記事では難解な特許を分かりやすく解説していきます。
本記事では特許6821843から文章と図を引用させて頂いています。
詳細を知りたい人は該当の特許番号から直接お調べください。


●美味しくて飲みやすい青汁を知りたい人、飲みたい人
●美味しくて飲みやすい青汁が発明された理由とその方法を知りたい人
●伊藤園の特許を知りたい人(業界人向け)
- 出願人について
「株式会社 伊藤園」 - どんな発明をしたのか
「特定量の、緑色植物と水と同添加物を含有する緑色系飲料の製造方法」を発明した。
この発明は「ごくごく飲める!毎日1杯の青汁シリーズ」として販売されています。 - どんな利益が期待できるか
「 ペットボトルで見た目がよく飲みやすい青汁を飲むことが出来ます。」 - 従来の製品はどんなものだったか
「鮮やかな緑色を保持することが難しかった」 - 市場性
「 今後成長を期待される市場を独占することが出来るので伊藤園の売り上げは間違いなく伸びていくでしょう。」 - まとめ
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【氏名又は名称】株式会社 伊藤園

伊藤園は大手飲料メーカー です。
伊藤園は「おーい、お茶」など有名な商品を取り扱っています。
茶葉製品と緑茶飲料では最大手です。
私も知りませんでしたが、傘下にタリーズコーヒーがあるそうです。
伊藤園は1966年に設立されたフロンティア製茶株式会社から歴史が始まっています。
最初に手掛けたのは緑茶の製造でした。
1980年になると、有名な缶入りウーロン茶を販売します。
伊藤園は「お客様第一主義」を経営理念に掲げています。
お客様は消費者だけではなく、ステークホルダー全体を示しています。
決算情報 | 2020年度 | 2019年度 |
---|---|---|
売上高 | 4462 億円 | 4833億円 |
営業利益 | 166 億円 | 199 億円 |
経常利益 | 170 億円 | 194 億円 |
純利益 | 70 億円 | 77 億円 |
売上高が4000億円を超えています。
伊藤園は日本を代表する巨大企業です。
営業利益率は約4%です。
大手企業の中では低めですが、食品業界であれば経済的に優良企業と言えます。
経常利益は営業利益と殆ど同じ金額になっています。
伊藤園は本業の飲料で最も稼いでいる安定した企業です。
純利益は2019年度と比べて減少していますが、設備投資をしている可能性もあります。
黒字であることが重要なので、伊藤園は財務的に問題のない会社と言えます。
【請求項1】
水と、緑色植物の粉砕物と、銅添加物と、を混合して緑色系飲料を得る混合工程と、
前記緑色系飲料を、100℃以上150℃以下、5秒以上120秒以下で加熱する殺菌工程と、を有し、
前記緑色植物の粉砕物の含有量が、前記緑色系飲料の総量に対して、0.01質量%以上5.0質量%以下であり、
前記銅添加物により添加される銅の含有量が、前記緑色系飲料の総量に対して、0.5ppm以上100ppm以下であり、
前記緑色系飲料のpHが、2.0以上4.6以下である、
緑色系飲料の製造方法。

伊藤園 が発明したのは「 緑色系飲料 」です。
上記の文章だと分かり難いので、文章を区切ってそれぞれを解釈をしていきます。
構成 | 請求項1 | 解釈 |
---|---|---|
A | 水と、緑色植物の粉砕物と、銅添加物と、を混合して緑色系飲料を得る混合工程と、 | 「水」「緑色植物」「銅添加物」を混合した緑色系飲料である。 |
B | 前記緑色系飲料を、100℃以上150℃以下、5秒以上120秒以下で加熱する殺菌工程と、を有し、 | 加熱殺菌工程を行っている。 |
C | 前記緑色植物の粉砕物の含有量が、前記緑色系飲料の総量に対して、0.01質量%以上5.0質量%以下であり、 | 緑色植物の含有量が特定の範囲である。 |
D | 前記銅添加物により添加される銅の含有量が、前記緑色系飲料の総量に対して、0.5ppm以上100ppm以下であり、 | 銅添加物の含有量が特定の範囲である。 |
E | 前記緑色系飲料のpHが、2.0以上4.6以下である、 | 酸性度(pH)が特定の範囲である。 |
F | 緑色系飲料の製造方法。 | 発明は物ではなく、製造方法である。 |
請求項1を構成分けすると、A~Fの6つの構成から成り立つ文章であることがわかります。
構成Aは発明に何が含まれているのかを説明しています。
「銅添加物」が気になりますが、それを飲料に含有させることは新しいことではありません。
従って、構成Aは従来のものと比べて新しい部分がありません。
構成B~Dは発明に含まれている成分の含有量を説明しています。
発明を特定する重要な部分です。
しかし、含有量の調整だけでは発明として認められる可能性は低いことが多いです。
従って、構成B~Dも従来のものと比べて新しい部分がありません。
構成Eは緑色系飲料のpHという酸性度を調整しています。
pHは物性を示すパラメーターであるため、pHを調整すること自体は新しくありません。
従って、構成Eは従来のものと比べて新しい部分がありません。
構成Fは発明が物ではなく、製造方法であることを説明しています。
構成Fは従来のものと比べて新しい部分がありません。
特許は発明が物であるのか、方法であるのか、システムであるのかなど、具体的に明示しないといけません。
近年、「プロダクト by プロセス」の問題が起きています。
難しいので詳しくは説明しませんが、発明を構成する内容が成分であるのか方法であるのかを混合せずに書く必要がります。
何れの構成においても特段、新しい部分が見つかりませんでした。
従って、本発明は従来からある構成を画期的な組み合わせをすることで特許として認められたのです。
具体的には、構成EのpHを特定の範囲に調整することと、加熱工程の温度が従来の発明と異なると判断されました。
従来の発明ではpHを特定の範囲に調整する思想や、加熱温度を調整する思想が無く、今回の発明者が初めて気が付いて組み合わされた構成だったのです。
では、この発明品は我々にどんな恩恵を与えてくれるのでしょうか。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、酸性であっても鮮やかな緑色を保持することができる緑色系飲料の製造方法、緑色系飲料の緑色保持方法、及び緑色系飲料を提供することができる。

この発明品によって、我々は「緑色から変色しない飲みやすい緑色系飲料を飲むことが出来る。」
これだけだと何のメリットがあるのかわりません。
この特許には詳しくは書かれていませんが、緑色系飲料は「青汁」のことです。
従って、我々は「変色しにくい飲みやすい青汁を飲むことが出来ます。」
つまり、見た目と飲みやすさがメリットになります。
青汁は苦みが強いため、飲みやすくするためにpHを酸性に調整します。
そうすると、水に溶かして放置すると徐々に緑色から変色していきます。
その為、青汁は一般的に「粉」で販売されているものが多く、ペットボトル飲料が少ないのです。
最初から飲み物として青汁を販売しようとすると、工場から出荷した後に色が変色していきます。
我々がお店で目にするようになる頃には飲みたいと思えるような色とは異なる色に変色してしまうのです。
そのことを解決しようとしたのが伊藤園だったのです。
今回の発明により、我々はより青汁に触れる機会が増え飲むことが多くなるでしょう。
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記のような緑色植物の粉砕物を含む緑色系飲料をより飲みやすくするために、pHを下げた酸性の緑色系飲料について検討をしたところ、特許文献1及び2に記載の従前の方法では、鮮やかな緑色を保持することが困難であることが分かってきた。

従来の青汁は鮮やかな緑色を保持することが難しかったのです。
近年の食生活の変化に伴い、現代人は野菜の摂取量が減少する傾向にあります。
そのような野菜不足を、野菜を搾汁して野菜飲料として手軽に摂取することで補う動きがあります。
そんな中、健康食品素材を気軽に摂取できる青汁は注目を浴びています。
しかし、青汁の乾燥粉末形態は飲用前に水に溶解させるなどの手間がかかり、水に溶かしても繊維分がザラザラした食感となり、のど越しが悪いため飲用しにくいといった問題があります。
それを解決するために、青汁を容器詰飲料にする方法があります。
野菜飲料のように手軽に摂取できますが、常温で保存すると青汁特有の鮮やかな緑色が保持できず、商業的販売にはてきしませんでした。
さらに青汁自体はえぐみや苦味といった、味・臭いに関する欠点が問題となっており、青汁食品として改良が求められています。
これらの課題を解決したのが今回の発明です。
容器詰め飲料の課題である変色と、青汁の味と臭味を解決したのです。
具体的にはpHを酸性にすることで青汁の 味と臭味を軽減し、変色は銅添加物で抑えたのです。
「この発明は世の中に受け入れられるでしょう。」
青汁は以前から人気がありましたが、近年の健康ブームもあり、市場価値が高まっています。
市場が大きくなるということは飲む人と機会が増えます。
そうすると、自宅、会社、屋外など様々な飲料シーンに対応できるかが売り上げの伸びを左右します。
粉タイプの様に、コップと水(お湯、牛乳など)が必要であると、屋外など飲めるシーンが限られてしまいます。
そこで考えられたのがペットボトルタイプの青汁です。
ペットボトルであればどこでも携帯でき、多くの飲料シーンに対応することが出来ます。
従来の青汁では変色の問題があったため、青汁のペットボトル飲料は市場が成長できていません。
本発明はその市場を大きく成長させる力があります。
そして、伊藤園は独占的に製造販売することができますから、市場を独占できます。
今後成長を期待される市場を独占することが出来るので伊藤園の売り上げは間違いなく伸びていくでしょう。
◆伊藤園は「特定量の、緑色植物と水と同添加物を含有する緑色系飲料の製造方法」を発明した。
◆この発明によってユーザーは、「 ペットボトルで見た目がよく飲みやすい青汁を飲むことが出来ます。」
◆この発明は「ごくごく飲める!毎日1杯の青汁シリーズ」として販売されています。
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◆従来の製品は 鮮やかな緑色を保持することが難しかった 。
◆ 今後成長を期待される市場を独占することが出来るので伊藤園の売り上げは間違いなく伸びていくでしょう。