Twitterで更新通知します。こちらをクリックしてフォローお願いします。

ルアー上級者はリトリーブで勝負!エスケープアクションで大型魚を釣り上げよう!【特許取得製品を解説】

今回は、下記の特許を解説します。
特許第7011454号(令和4年1月18日)
発明の名称「ルアー」
出願人「株式会社シマノ 」
*詳細を知りたい人は該当の特許番号から直接お調べください。

目次

  1. 出願人(会社)について
    株式会社シマノ
  2. どんな発明をしたのか
    リトリーブする速度を変化させてもルアーが泳ぐ姿勢を保つことが可能となり、魚が食いつきやすくなるルアーを発明した。
  3. どうやって発明したか
    リトリーブした時、ルアーの尾びれを下向きに押し下げる力を発生させる第一水受け面と、ボディ側面を流れる水流によって左右に揺動する第二水受け面をルアーに取り付けた。直接操作できるようにした。

株式会社シマノ(出願人)について

 シマノは、変速機、ブレーキ部品などの自転車部品で世界首位の企業です。釣り具も展開しており、海外生産、販売比率高くなっております。上場もしており、売り上げは5000億円を超えている大手企業です。

どんな発明をしたのか

リトリーブする速度を変化させてもルアーが泳ぐ姿勢を保つことが可能となり、魚が食いつきやすくなるルアーを発明した。

 

図1 本発明の一実施形態に係るルアーを示す側面図

 

チェックポイント

 ルアーの尾びれを改造する事で魚が偽物と気づく動き(ローリング)を防いだ!

 現在、ルアーフィッシングが人気になっています。ルアーフィッシングは、主として小魚を捕食する大型の魚を釣るスポーツです。釣り人は、水中に沈んだルアーをリールでラインを巻き取るリトリーブによって所望の水深で泳がせます。本物の小魚と勘違いした大型魚は、このルアーに食いつき、ルアーのフックが刺さることで釣り上げられます。一般的なルアーには、前部ボディと後部ボディが左右方向に折れ曲がるように連結されたジョイント式があります。
 ルアーをリトリーブさせることで水流に従って水中を泳がせます。リトリーブ中には、急激な引きでルアーを高速で泳がせた後、減速して慣性で泳がせる手法があります。ルアーの速度を減速させると、ルアーは水流に流されやすくなります。ジョイント式ルアーの場合には水流でボディが屈曲してしまいます。
 ルアーの重心は、本体の下方になっています。この為、ルアーは、横からの水流に対してローリングしようとします。ルアーがローリングするとラインがフックに絡みつくことがあります。また、ルアーのローリングは、魚の泳ぎに似た泳ぎではない為、大型魚が偽物と気が付く可能性が高まります。また、高速リトリーブの場合もローリングが生じてしまう場合があります。
 これらの課題を解決する為に、本発明者はルアーのリトリーブ速度を変化させても姿勢を保つことができる工夫について研究を進めました。そして、本発明者は尾びれに作用する水圧に着目し、尾びれの工夫によってルアーの姿勢を保つことが可能な発明をしました。

どうやって発明したのか

リトリーブした時、ルアーの尾びれを下向きに押し下げる力を発生させる第一水受け面と、ボディ側面を流れる水流によって左右に揺動する第二水受け面をルアーに取り付けた。直接操作できるようにした。

図7 図1に示すルアーを泳がせたときの第一尾びれに作用する水圧を後方から見た模式図
チェックポイント

 リトリーブ中に加わる水流圧を尾びれ上部で受け止め、不意の横からの水流を尾びれで受け流す!

 本発明に係るルアーは、ボディと、前記ボディの後部に備えられた尾びれと、を備え、前記尾びれは、上部で下向きの水圧を受ける第一水受け面と、前記第一水受け面の下方で横向きの水圧を受ける第二水受け面と、を有しています。第二水受け面は、上下方向に延在する尾びれとして機能する部分を含みます。
 この構成により、リトリーブによって尾びれは第一水受け面で下向きに水圧を受け、第二水受け面で横向きに水圧を受けます。尾びれとして第二水受け面が受ける横向きの水圧に加え、第一水受け面が受ける下向きの水圧により、リトリーブ時にルアーがローリングを生じることを抑えてルアーの姿勢を適切に保つことができるのです。

まとめ

 シマノは、リトリーブをしても、不自然な動きをしないルアーを発明しました。

 ルアーフィッシングは釣り人のテクニックで釣果が左右するものです。そんな環境であるため、釣り人はより魚らしい動きをルアーにさせる為、リトリーブ技術が必要となります。しかし、リトリーブによる変速を繰り返すとルアーがローリングしてしまいます。折角、ルアーに魚らしい動きをさせようとしてるのに、魚の動きでは無くなってしまうのは本末転倒です。その矛盾に気が付いたシマノは、釣り人がよりルアーを本物の肴に見せようと細かく変速させてもローリングしないルアーを発明したのです。

 この発明品は、BTスラプターシリーズの「シフトテール」機能として使用されています。
興味のある方は、下記リンクからご購入ください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA