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Apple watchでもできない!血圧が測定できるオムロンの腕時計!最強の体調管理機能スマートウォッチ

今回は特許6976841を紹介していきます。
*詳細を知りたい人は該当の特許番号から直接お調べください。

【図1】本発明の第1の実施形態に係る血圧測定装置の構成を示す斜視図

こんな人向けの記事です

  • オムロンが新たに特許を取得した製品がどんなものか知りたい人
  • 業界関係者でオムロンの製品情報を集めたい人
  • 血圧測定をして健康管理を行いたい人

目次

  1. 出願人(会社)について
    オムロン
  2. どんな発明をしたのか
    皺の発生を抑制することによって、血圧測定結果の精度を向上できる血圧測定装置
  3. どうやって発明したか
    カフが生体に巻き付けられ、膨張したときに、内外周差によって内周面側に生じる皺を案内部により生じさせることで、皺が生じる場所及び皺の深さを管理させた。

出願人(会社)について

オムロンはヘルスケア業界の会社で、ヘルスケア製品を取り扱う会社として、一般的に認知されています。

 オムロンは、感知・制御技術が基盤となっています。稼ぎ頭は制御機器です。リレー等電子部品や鉄道システム、ヘルスケアも展開しています。

 近況では、社会システムは鉄道向け低迷していますが、ヘルスケアは血圧計が台数増想定超となっています。制御機器もEVや半導体業界の投資拡大寄与で急伸しています。前号比営業益増額。増配幅拡大。23年3月期は制御機器の需要拡大が続いています。協調ロボット分野で世界2位の台湾・テックマン社に21年12月出資予定となっています。FA分野の製品群拡大も図っています。遠隔診療サービスは現地企業への出資通じブラジル進出しています。 

どんな発明をしたのか

オムロンは、「皺の発生を抑制することによって、血圧測定結果の精度を向上できる血圧測定装置」を発明した。

 近年、血圧の測定に用いる血圧測定装置は、医療設備においてのみならず、家庭内においても、健康状態を確認する手段として利用されています。血圧測定装置は、例えば、カフを生体の上腕又は手首等に巻き付け、カフを膨張及び収縮させ、圧力センサによりカフの圧力を検出することで、動脈壁の振動を検出して血圧を測定するものです。

 しかしながら、生体にカフを巻き付けてカフを膨張させると、膨張したカフの外周面側の周長と内周面側の周長に差が生じるため、カフの生体側に皺が生じます。カフに生じる皺は、カフを巻き付ける生体の周長や形状、カフの巻き付け方等によって、数、位置及び深さ等が変わります。

 カフに生じた皺は、カフの内部空間が分断する虞や膨張圧力を損失させる虞があり、血圧の測定精度が低下し、測定結果にばらつきが生じる等、血圧測定結果に影響を生じさせる要因となっています。

 そこで、袋状カバー体に皺が発生することを抑制する血圧測定装置用カフが知られています。この血圧測定装置用カフは、空気袋が挿入される袋状カバー体に内包されたカーラが、非測定部位にフィットするようにその巻き回し方向において曲率の大きい部位と曲率の小さい部位とを含んでいます。カーラの曲率の大きい部位に対応する部分の内側カバー部材が、空気袋が膨張していない状態において、幅方向において引っ張られた状態となり、皺が抑制されるのです。この血圧測定装置用カフは、例えば、カーラの曲率の大きい部位に対応する袋状カバー体の部分の、内側カバー部材と外側カバー部材の幅方向における縫合間隔を他の部位の縫合間隔と変える構成を採用することにより、上記効果を奏します。

 一般的には、カフは、上述した袋状カバー体内に空気袋及びカーラを挿入する血圧測定装置用カフ以外の構成として、流体が供給されるカフが生体に接触する構成や、複数の空気袋が積層される構成等も知られています。このような種々のカフにおいて、血圧測定結果に影響が生じる皺の発生を抑制することができる技術が求められているのです。

 そこで本発明は、カフ血圧測定結果に影響が生じる皺の発生を抑制できる血圧測定装置を提供することを目的としたのです。

どうやって発明したのか

カフが生体に巻き付けられ、膨張したときに、内外周差によって内周面側に生じる皺を案内部により生じさせることで、皺が生じる場所及び皺の深さを管理させた。

【図2】同血圧測定装置の構成を示す斜視図

 発明品は、生体に巻き付けられる、内部空間に流体が供給されることで膨張する袋状のカフと、前記カフ内に前記流体を供給する供給装置と、前記カフの前記生体側に設けられ、前記カフが膨張して前記生体を圧迫するときに、前記カフの前記生体側に前記カフの巻き付け方向に対して交差する皺を生じさせる案内部と、を備える血圧測定装置が提供される。

流体とは

 皺とは、生体に巻き付けられた状態で袋状のカフが膨張し、カフの外周面と内周面とに周長に生じた差(内外周差)が生じた場合に、内周面の一部が外周面側に位置するように、カフの内周面に生じる折れ目です。*流体には、液体及び空気を含みます。

カフとは

 カフとは、血圧を測定するときに生体の上腕や手首等に巻き付けられ、流体が供給されることで膨張するものであり、例えば、手首で血圧を測定する血圧測定装置に設けられる押圧カフ、センシングカフや上腕で血圧を測定する血圧測定装置に設けられるカフを含みます。また、ここでのカフとは、押圧カフを構成する空気袋等の袋状構造体であっても構いません。また、ここで、供給装置とは、ポンプや流路を含む血圧測定装置の装置本体です。

 この態様であれば、カフが生体に巻き付けられ、膨張したときに、内外周差によって内周面側に生じる皺を案内部により生じさせることで、皺が生じる場所及び皺の深さを管理することができるようになるのです。

何故、皺を案内させる必要があるのか】 

 カフの内周面側に生じる皺は、皺の位置や深さによっては、カフの内部空間を分断する虞やカフが生体を押圧するときの圧力のばらつきが生じ、測定した血圧値の精度が低下する等、血圧測定結果に影響が生じる虞があります。しかしながら、案内部を設けることで、カフの内周面に発生する皺の位置を管理できることから、生体の個体差やカフの使用条件の違い等によってカフの膨張時にカフの内周面側に生じる皺の位置や深さのばらつきを抑制できるのです。この態様とすることで、血圧測定装置は、カフにより生体を安定的に押圧できることから、測定した血圧値にばらつきが生じることを防止し、血圧測定結果の精度を向上することができます。

案内部とは

 前記案内部は、前記カフの外面に複数設けられた溝です。案内部を溝とすることで、カフの厚さを増加させることなく、簡単な構成で皺を管理することができます。前記案内部は、前記カフの前記生体の動脈と対向する位置を避けて設けられます。案内部は、カフの生体の動脈と対向する位置を避けて設けられることで、カフの動脈と対向する位置において、皺の発生を抑制することができるとともに、当該位置にカフが膨張したときに皺が生じても、案内部により生じる皺よりも深さが浅い皺とすることができます。また、前記案内部は、等間隔に複数設けられます。カフの内周面側に皺を等間隔に複数生じさせることで、皺の深さを同様の深さとすることができるため、部分的に深い皺が生じることを抑制できます。また、前記案内部は、前記カフの巻き付け方向に対して直交する方向に皺を生じさせます。カフの生体への巻き付け方向に対して直交する方向の皺が生じることから、カフに生じる皺が重なることを防止できます。

ウェアラブル型の血圧測定器とするために

 上記一態様の血圧測定装置において、前記カフの前記生体側に設けられ、前記生体の手首の周方向に延在する背板と、前記背板の前記生体側に設けられ、前記生体に前記カフが巻き付けられたときに、前記手首の動脈が存する領域に設けられ、内部空間に流体が供給されることで膨張する袋状のセンシングカフと、前記カフ及び前記センシングカフに流体を供給するポンプと、前記ポンプを収容する装置本体と、前記装置本体に設けられ、前記手首の周方向に沿って装着されるベルトと、を備える血圧測定装置が提供されます。

 ここで、被測定部位とは、生体の動脈が存する領域であって、血圧が測定できる部位であり、例えば、手首、上腕、足首等が挙げられる。

 この態様によれば、手首に装着される所謂ウェアラブル型の血圧測定装置のカフ幅が比較的小さいカフであっても、皺の管理が可能となります。即ち、手首に装着される血圧測定装置のカフは、カフ幅が小さく、このため、カフに生じる皺によって生じる圧値の測定精度の低下等の影響が大きいですが、血圧検出装置は、皺を管理することで、皺によって血圧値のばらつきを防止できるため、血圧測定結果の精度を向上することができます。

まとめ

オムロンはウェアラブル型の血圧測定器を発明しました。

 腕時計型で健康管理できる製品は既に市場にあふれています。代表的な製品としてAppleウォッチが挙げられます。俗にいうスマートウォッチ(SW)のことです。SWは価格が安い物でも心拍数、歩数、通知機能などが搭載されています。しかし、「血圧」を測定できるものはオムロン製しか聞いたことがありません。心拍数は血圧と違います。心拍数は心臓が拍動する回数で、血圧は血管の圧力を示しています。病院室でよく測定するのが血圧です。血圧が高いと、心臓病や脳卒中のリスクが高いことが知られています。多くの人にとって血圧測定は健康状態を判断できる指標となっています。それを簡易的ではあるものの精度良く測定できるのはこの発明品だけなのです。つまり、Appleウォッチでも測定できないヘルスメーターを測定できる特別な製品なのです。

 この発明品は、オムロンの「heartguide hcr-6900t-m」として販売されております。興味のある方は、下記リンクからお確かめください。

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